中国の展示会では、実際にどのような場面で中国語を使うのでしょうか。
私は以前、病院や研究室などで使われる遠心機を扱う会社で輸出営業を担当し、上海の分析機器の展示会に複数回出展した経験があります。中国語で来場者に製品を説明する一方、競合製品との違いをうまく伝えられず、悔しい思いをしたこともあります。
今回は、出展準備から現地での対応、新しい販売店との出会いまで、当時の経験を振り返ります。中国語ができたからこそ経験できたこともあるので、ぜひ最後まで読んでいただけるとうれしいです。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 上海の分析機器展示会への出展では、準備から現地調整まで幅広く担当した。ATAカルネの申請やブース設営に加え、北京・上海・広州の販売店とも連携した。
- 当日は中国語で製品を説明し、来場者を各地域の販売店へつないだが、競合製品との違いを伝えて相手を納得させる難しさも痛感した。
- 新規販売店の開拓では、会社の規模より販売への熱意を重視した。20〜30社から候補を絞り、中国語と業務知識の両方が大切だと実感した。
上海の展示会に出展するまでの準備と中国側との連携

中国の展示会に出展するには、展示品の輸送やブースの準備など、事前にやるべきことが数多くあります。私が上海の展示会を担当した際も、日本での準備から現地販売店との調整まで、幅広い業務に携わりました。
出展申し込みから展示品の輸送まで自分で担当した
まずは社内で出展の承認を得て、主催者への申し込みや展示機種の選定、輸送の手配などを進めました。
展示する遠心機を日本から中国へ輸送するため、展示品の一時輸出入に利用できるATAカルネという通関書類も申請しました。当時は日本商事仲裁協会の窓口まで、自分で申請書類を持参したことを覚えています。
また、ブースの装飾会社には自分でデザイン案を伝え、展示する機種の配置なども検討しました。こうした準備を進めながら、出張の社内承認や航空券、ホテルの手配も行っていました。
中国の販売店と連携しながら準備を進めた
展示会では中国各地から来場者が訪れるため、現地の販売店との連携も欠かせませんでした。
当時は北京・上海・広州に販売店があり、展示会への出展が決まると、それぞれの担当者に情報を共有して当日の協力をお願いしていました。
展示会では私自身も中国語で製品を説明しますが、その後の商談や顧客対応は現地の販売店に引き継ぐことになります。そのため、各地域の担当者に参加してもらえるよう、事前に調整していました。
展示会は自社製品を紹介する場であると同時に、販売店と協力して新しい顧客との接点をつくる機会でもありました。
展示会前日は現地での確認と準備に追われた
上海に到着すると、ホテルで荷物を預け、そのまま展示会場へ向かっていました。展示会が始まる前日には、展示品の到着確認やブースの設営など、やるべきことが数多くあります。限られた時間で準備を終えるため、現地では慌ただしく動き回っていました。
展示品の到着確認とブースの設営を進めた
まず確認するのは、日本から送った遠心機が無事に届いているかどうかです。私が担当した約3回の出展では、幸いにもすべて前日までに到着していました。
展示品を開梱する前には、撤収時に元の状態へ戻せるよう、梱包箱に太いペンで丸や三角の印を付けていました。箱同士の位置関係が分かるようにしておくと、最終日の梱包作業がスムーズになります。
また、装飾会社の現地担当者とも連絡を取り、依頼したデザインどおりにブースが仕上がっているかを確認していました。
展示会当日を迎えるために準備したこと
ブースの準備を進めると、カッターやテープ、筆記用具など、細かな備品が必要になります。来場者に渡す飲料水も含め、足りないものがあれば近くのスーパーまで買い出しに行っていました。
展示会が始まってから備品不足で慌てないよう、前日のうちにできるだけ準備を整えておくことを心がけていました。
また、前日には中国の販売店のメンバーも現地入りしていることが多く、夜は一緒に食事をするのが恒例でした。翌日からの展示会に備え、こうして慌ただしい前日が終わります。
展示会当日は中国語で来場者に製品を説明した

展示会が始まると、ブースには上海だけでなく中国各地から来場者が訪れました。私は中国語で製品の特徴を説明しながら、各地域の販売店へつなぐ役割も担当していました。一方で、中国語が通じても説明に苦労する場面がありました。
中国各地から訪れる来場者と販売店をつないだ
来場者と名刺交換をしたら、まずどの地域から来たのかを確認していました。
例えば、
您是从哪里来的?
Nín shì cóng nǎlǐ lái de?
(どちらからいらっしゃいましたか?)
という表現です。
相手の地域に応じて、北京・上海・広州から参加していた販売店の担当者に声をかけ、製品説明の後に紹介することもありました。
また、価格について積極的に質問する来場者も多く、具体的な商談は販売店に引き継いでいました。ノベルティを持っていく人も多かったため、ブースに置く数にも気を配っていました。
競合製品との違いをうまく伝えられなかった悔しさ
製品の特徴や販売店との関係については、中国語で説明できました。しかし、競合製品と比べた強みを聞かれたときは、相手を十分に納得させられませんでした。
例えば、
跟其他品牌相比,你们的优势是什么?
Gēn qítā pǐnpái xiāngbǐ, nǐmen de yōushì shì shénme?
(他のブランドと比べて、御社の強みは何ですか?)
という質問です。
製品の特徴は理解していても、競合より優れている点を具体的に示し、相手が納得するほどのメリットを伝えきれませんでした。
中国語で会話ができても、製品の魅力を伝えて相手を納得させるには別の難しさがあると感じました。その悔しさは今でも残っています。
展示会で20〜30社から新しい販売店を探した経験

通常は製品の認知度向上を目的に出展していましたが、一度だけ新規販売店の開拓を主な目的にしたことがあります。販売店を募集すると、会期中には多くの企業がブースを訪れ、普段とは違った対応に追われました。
販売店選びでは会社の規模より熱意を重視した
3日間ほどの会期中、販売を希望して訪れた企業は20〜30社ほどだったと記憶しています。
自社は大手メーカーではなかったため、会社の規模よりも、本気で製品を販売してくれるかを重視していました。
例えば、
您对我们产品的哪些方面比较感兴趣?
Nín duì wǒmen chǎnpǐn de nǎxiē fāngmiàn bǐjiào gǎn xìngqù?
(当社の製品のどのような点に興味がありますか?)
といった内容の質問です。
ほかにも、製品を取り扱いたい理由や、どのような顧客に販売できそうかを聞いていました。当時は中国語でうまく質問できないこともありましたが、相手の人柄や日本製品への関心、販売に対する本気度を見極めようとしていました。
何度もブースを訪れていた社長の会社を選んだ
特に印象に残っているのは、何度もブースの周辺を訪れていた中国企業の社長です。
話を聞くと、その会社は生化学分野の顧客に強く、フリーザーやインキュベータなど日本製の研究機器を扱っているものの、日本製の遠心機は取扱製品にないとのことでした。
製品に興味を持った理由が明確で、人当たりもよく、その社長の考え方にも好感を持ったのを覚えています。
展示会で話をした20〜30社の中から候補を4社ほどに絞り込み、約2か月後にそれぞれの会社を訪問して面談しました。最終的に販売店として選んだのは、その社長の会社です。
中国の展示会で使う中国語のよくある質問
中国の展示会で、来場者にどこから来たのかを中国語で尋ねるには何と言えばよいですか。
「您是从哪里来的?(Nín shì cóng nǎlǐ lái de?)」と尋ねます。相手の地域がわかれば、その地域を担当する販売店につなぐことができます。
中国の展示会に出展するには、どのような準備が必要ですか。
出展申し込み、展示品の選定と輸送、ブース装飾の手配などが必要です。展示品を一時的に持ち込む場合は、ATAカルネという通関書類を利用できます。
展示会で新しい販売店を選ぶときは、何を重視すればよいですか。
筆者は会社の規模よりも、製品を本気で販売してくれる熱意を重視しました。製品に興味を持った理由や想定する顧客を聞き、相手の本気度を見極めることが大切です。
まとめ│中国語と業務知識の両方が大切
今回は、中国の展示会で中国語を使った体験を紹介しました。
当時は出展準備から来場者対応まで、目の前の仕事をこなすのに精一杯でした。
今振り返ると、中国語が話せるだけでも、業務の知識や経験があるだけでも、現地で仕事をうまく進めることは難しかったと思います。
両方をうまく組み合わせながら、一つひとつの仕事に対応していく。そうして経験したことが、少しずつ自分の力になっていくのだと感じます。
慌ただしく過ぎていった展示会でしたが、今では自分にとって大切な経験の一つです。これから中国の展示会に参加する方も、ぜひ積極的に中国語で来場者と交流してみてください。


