中国の港町青島で異国情緒を楽しもう

City skyline along a harbor with glass skyscrapers under a clear blue sky on a sunny day, viewed from the water's edge.

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青島ビールで世界に名を馳せる山東省の青島は、山東半島の南西部に位置し、丘の多い地形と美しい海岸線をもつ港湾都市です。ドイツの租借地だった時期があるため、今もドイツ風をはじめとする欧風の建築を数多く鑑賞できます。その一方で、現在は多国籍企業が数多く拠点を構える大都市でもあります。
日本の空港から3時間ほどで行け、海沿いならではの気候や食文化をもつ青島は、中国旅行に慣れない日本人でも旅行しやすい町だと言えます。
異国情緒と港町の魅力、そして大都市ならではの快適さを併せもつ青島で、新鮮な海鮮を味わいながら美しい街並みや海辺の風景を満喫しましょう。

目次

この記事の3行まとめ(AI要約)

  • 青島は1903年にドイツ人がビール製造所を開業したことを起点に中国を代表するビールの街となり、工場跡を開放した青島ビール博物館や夏の国際ビール祭りが観光の目玉になっている。
  • 中国では数少ない海辺の大都市で、内陸部より日本に近い気候と豊富な海鮮グルメが魅力。桟橋(zhànqiáo)や小魚山公園、五四広場など海を眺められるスポットも多い。
  • ドイツ租借地時代の欧風建築が街に数多く残り、聖ミカエル教会や八大関、青島迎賓館などをめぐる2日間のモデルコースが組める。日本各地から直行便で3時間余りとアクセスも良い。

青島といえばビール!

Front view of a brick building with a large Tsingtao beer can sign against a blue sky.

中国のビールを代表する青島ビールは、この土地で1903年、ドイツ人がビール製造所を開業したのがその始まりです。日本が統治した時代や戦後もその伝統は受け継がれ、現在、青島ビールは中国を代表するビールの座を獲得しています。青島にはドイツのビール工場跡を一般開放した「青島ビール博物館」があり、著名な観光地として人気を集めています。青島の街中には青島ビールを量り売りする店もあり、ビニール袋で必要量のビールを買うことができます。夏には毎年、大規模な国際ビール祭りが開かれ、国内外から多くの人が訪れます。

青島ビールを製造しているTsingtao Brewery Company Limitedは青島市東部の崂山で「崂山ビール」も製造しており、地元では青島ビールと並ぶ人気を誇っています。

海沿いならではのスポットやグルメも豊富

海鮮を使った中国料理のイメージ

中国では大都市の多くは内陸部にありますが、青島は数少ない海辺の大都市です。海の近さによる湿度の高さは、空気の乾燥している内陸部などと比べると、日本の気候に近いと言えます。大型の海水浴場もあり、夏は海水浴をする人々で賑わっていますし、海の近さを生かした水族館「青島海底世界」などもあります。「桟橋」や「小魚山公園」、「五四広場」などといった観光スポットからも海をゆっくり眺めることができます。
また、港町青島でぜひ味わいたいのは海鮮です。海鮮餃子を筆頭とする海鮮料理は種類が豊富で、しゃこやエビを使った料理はビールによく合います。興味があれば、地元名物のヒトデ料理にもチャレンジしてみましょう。

青島で必見の観光スポットは?

中国の港町青島で異国情緒を楽しもう

青島ビール博物館 青岛啤酒博物馆(qīngdǎo píjiǔ bówùguǎn)

1903年創業の青島ビール工場の跡地を利用した博物館。工場は青島がドイツの租借地だった時代にドイツ人によって建てられましたが、第一次大戦後、日本がドイツの租借権を受け継ぐと、日本人が経営するようになり、その状態は日中戦争の敗戦まで続きました。
敷地内には今も創業当初のドイツ風の建物が保存されています。ここでは青島でのビール醸造の歴史やビールの製造過程について理解を深められるだけでなく、出来立てのビールも試飲できます。お土産コーナーも充実しており、ビール瓶型のグッズや各種ビールの詰め合わせなどを購入できます。
青島市市北区登州路56号

聖ミカエル教会 圣弥爱尔大教堂(shèngmí’ài’ěr dàjiàotáng)

旧市街の高台にあり、街のランドマークにもなっているカトリック教会です。1934年に建てられました。カトリック教は中国語で“天主教(tiānzhǔjiào)”であることから“天主教堂(tiānzhǔjiàotáng)”とも呼ばれています。ドイツ統治時代に建てられたネオ・ロマネスク様式とゴシック様式が融合した建物で、二つの塔が左右対称にそびえています。文革時には破壊を受けましたが、1981年にミサなどの宗教活動が復活しました。
青島市市南区浙江路15号

八大関 八大关(bādàguān)

八大関風景区とも呼ばれている、欧風の邸宅が集まった住宅街です。イギリス、フランス、ドイツ、デンマーク、ロシアなどの国の建築様式をもつ邸宅が縦横に交差する10本の道に沿って200棟以上並んでいます。1930年代に建てられた建物が多く、写真映えスポットとしても名を馳せています。戦前の青島の面影を辿れるだけでなく、豊かに茂る並木の下を四季ごとの味わいを楽しみながら散策できるのも魅力です。
青島市市南区(紫荊関路、寧武関路、韶関路、武勝関路、嘉峪関路、函谷関路、正陽関路、臨淮関路、居庸関路、山海関路)

桟橋 栈桥(zhànqiáo)

青島駅から徒歩10分ほどの場所にあります。1891年に建てられ、その後改修された細い桟橋が海に向かって突き出ており、海や海岸の風景を楽しみながら先端まで歩くことができます。先端には中国風のあずまや回瀾閣があります。青島ビールのロゴにもなっており、青島を象徴するスポットです。
青島市市南区太平路12号

青島迎賓館(青島徳国総督楼旧址博物館) 青岛迎宾馆(qīngdǎo yíngbīnguǎn)(青岛德国总督楼旧址博物馆(qīngdǎo déguó zǒngdūlóu jiùzhǐ bówùguǎn))

1908年にドイツ人建築家によって建てられた旧ドイツ総督邸の建物で、現在は迎賓館と改名され、一般公開されています。外壁の4つの面のデザインはすべて異なっており、豪華なシャンデリアを含む、室内の凝ったインテリアや家具なども、総督邸だった頃のものがそのまま保存されています。ユニークな欧風建築に興味があれば、ぜひ訪れたいスポットです。
青島市市南区龍山路26号

小魚山公園 小鱼山公园(xiǎoyúshān gōngyuán)

青島の旧市街で一番高い地点にあり、赤い瓦が並ぶ青島の旧市街と海を一望できます。とくに夕暮れ時に眺めると、青島ならではの異国情緒を味わえます。
青島市市南区福山支路24号

五四広場 五四广场(wǔsì guǎngchǎng)

赤いらせん状のモニュメント「五月の風」がある海沿いの広場です。1919年に起きた五四運動を記念して建設されました。夜は立ち並ぶビルがライトアップされ、美しい夜景を楽しめます。国内外の企業が集う現在の青島を象徴している場所と言えるでしょう。
青島市市南区東海西路

天后宮(青島市民俗博物館) 天后宫(tiānhòugōng)(青岛市民俗博物馆(qīngdǎoshì mínsú bówùguǎn))

前身は明の成化三年(1467年)に建築された「天妃宮」で、清の康熙年間に現在の名に改められました。青島が海上貿易の拠点として発展する前から存在し、港町青島の歴史を見守ってきた廟です。正殿には海の守り神である媽祖の像があります。像は一本の木から彫り出されたもので、高さは2.8メートルに及びます。現在は青島市民俗博物館として開放されています。
青島市市南区太平路19号

崂山風景区 崂山风景区(láoshān fēngjǐngqū)

時間が十分にあれば、ぜひ足を延ばしたい風光明媚な山歩きスポットです。青島市の中心部から東へ40キロほどの地点にあります。岩と緑のコントラストが美しい崂山の山道や歴史ある道教寺院、美しい渓流などをめぐることができます。
青島市崂山風景区
公式サイト:崂山風景区 公式サイト

モデルコース

中国旅行のモデルコースを計画するイメージ

1日目 青島ビール博物館→八大関→小魚山公園→五四広場
2日目 聖ミカエル教会→青島迎賓館(青島徳国総督楼旧址博物館)→天后宮→桟橋

便利なアクセス

青島の空の玄関口は2021年に開港した青島膠東国際空港で、青島市中心部から北へ39kmの地点にあります。日本各地から多数直行便があり、3時間余りでアクセスできます。空港から市街地への移動には、地下鉄8号線やエアポートバス、高速鉄道、タクシーなどを利用できます。青島は首都北京から最速の高速鉄道で3時間ほどなので、北京観光と組み合わせるのも便利です。

まとめ

青島(チンタオ)は中国山東省の港湾都市で、ビール「青島啤酒(チンタオビール)」の発祥地としても世界的に有名です。19世紀末から20世紀初頭にかけてドイツの租借地だったため、街の中心部には赤い屋根瓦の欧風建築が数多く残っており、夏は涼しい気候と美しい海岸線も大きな魅力となっています。観光の合間に本場のビールや新鮮な海鮮料理も楽しめる青島は、異国情緒と中国らしさが同居する魅力的な町です。

投稿者アバター
多田麻美 中国文化研究家・翻訳家 / Chinese Culture Researcher & Translator
京都大学で中国語学・中国文学を学び、17年半にわたり北京に滞在。中国文化や歴史、中国文学に関する著書・翻訳を多数手がける。
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