HSK4級について知りたい方の多くは、「今の自分の実力で、そもそも受けられるレベルなのか」「合格すると、実際どのくらい話せるようになるのか」という点が気になっているのではないでしょうか。3級までの学習を終え、いざ4級の問題集を開いてみると、急に難しさを感じる方もいるかと思います。
実際、HSK4級は3級までの延長線上のつもりで臨むと、語彙量の多さや文章の複雑さに戸惑ってしまうことが少なくありません。ただ、ここでしっかり土台を固められれば、日常のさまざまな場面で自分の言葉で伝えられる力も身についてくるはずです。今回は、HSK4級が実際どのくらいのレベルなのか、語彙数や難易度、身につく会話力まで、中国語検定(中検)と比較しながら、次の関門である5級との違いも交えてお伝えしていきます。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- HSK4級は1級〜6級の折り返し地点にあたる中級への入り口で、中国語検定(中検)3級〜準2級程度が目安とされるが、出題形式が異なるため感覚的な目安として捉えるのがよい。
- 必須語彙は3級の600語から1,200語へ倍増し、抽象的な概念や社会的な話題を扱う語彙が増えるため、単語単体ではなく例文ごと覚える学習へ切り替えることが定着のコツになる。
- 筆記のスコアと実際に話せる量には開きが出やすく、日本人がつまずきやすいのは声調・量詞・語順の3つ。試験対策と並行してアウトプットの練習を続けることが鍵になる。
HSK4級はどのくらいのレベル?中検との比較で解説

HSK4級は、1級~6級まである試験の中で、ちょうど折り返し地点にあたります。1〜3級で基礎を固めてきた方が、次のステップとして挑む中級への入り口ともいえる位置づけです。日常生活で使う語彙や表現は必要最低限身についていて、簡単な意見交換や身近な話題についてのやり取りができる、これが4級のイメージです。
中検と比較すると、4級はおおよそ中検3級~準2級程度が目安とされることが多いようです。ただし試験の出題形式や評価の観点が異なるため、あくまで感覚的な目安として捉えていただくのがよいかと思います。中検はリスニングと筆記に加えて面接(口頭試問)が課される級があるのに対し、HSKの6級までは基本的にリスニング・読解・作文(またはリスニングと読解のみ)で構成されるため、単純な級の数字だけで実力を比較しきれない部分もあります。
ここで一つ、正直にお伝えしておきたいことがあります。「日常生活で使う語彙や表現は必要最低限身についていて、簡単な意見交換や身近な話題についてのやり取りができる」とお伝えしました。実際には、筆記や読解でスコアが取れることと、とっさに口から中国語が出てくることは、実は別の力で鍛えるポイントが異なります。この点は6級を取得していても油断できないところで、高い級を持っていても、実際の雑談や込み入った状況説明では言葉に詰まる、という経験をした人は少なくありません。4級は「基本的な自己紹介や、身近な話題について、決まったパターンの中でならある程度やり取りができる」段階と捉えておくのが、実感に近いのかもしれません。
例文を挙げると、次のようなものがあります。
Nǐ jīnnián duō dà ?
你今年多大?
あなたは今年おいくつですか?
Wǒ dǎsuàn shǔjià qù Zhōngguó lǚyóu
我打算暑假去中国旅游。
夏休みに中国へ旅行するつもりです。
このように、あいさつ文として必ず出てくる定型文などは初期の段階で覚えやすく、イメージもつきやすいのではないでしょうか。
HSK4級の語彙数はどう変わる?3級からの伸び幅

3級までの必須語彙は600語ほどですが、4級になると1,200語と、単純計算で倍に増えます。ただし数が増えるだけでなく、語彙の「質」が変わってくる点にも注目していただきたいところです。3級までは「食べる」「行く」「大きい」といった、生活に密着した具体的な単語が中心でしたが、4級になると、抽象的な概念や社会的な話題を扱う語彙が増えてくる印象です。
たとえば、次のような単語です。
| 中国語 | ピンイン | 日本語 |
|---|---|---|
| 关于 | guānyú | ~について |
| 结果 | jiéguǒ | 結果 |
| 态度 | tàidù | 態度 |
| 影响 | yǐngxiǎng | 影響、影響する |
こうした語彙は、感想や意見を述べたり、物事の因果関係を説明したりする場面で必ず出てくる表現です。そのため、単語単体で丸暗記するよりも、文章の中でどう使われているかをセットで覚えていくと、ぐっと定着しやすくなります。
また、3級までは一つの単語に対して一つの意味を覚えれば十分なケースが多かったのに対し、4級では同じ単語でも文脈によって意味合いが変わるものが増えてきます。たとえば「关于」は「〜について」という前置詞的な使い方をしますが、文章の主題を示す働きも持っています。日本語の「〜について」も話題を示せますが、中国語では文頭に置かれた「关于〜」が、その後の文全体のテーマ(主題)を導入する役割を担っています。そのため、単語単体で覚えるのではなく、例文ごとで覚える意識に切り替えることが、この段階での語彙学習のコツといえそうです。
HSK4級の難易度はどこで上がる?5級との違いに着目
3級までは、なんとなくの語感や日本語の知識だけでも乗り切れる場面が実は少なくありません。ところが4級になると、その「なんとなく」が通用しなくなる場面が現れます。文章全体を理解し、自分で組み立てる力が求められる問題が本格的に加わるからです。
そしてもうひとつ意識しておきたいのが、5級との違いです。4級までは日常生活や身近な話題が出題の中心ですが、5級になると時事ニュースや専門性のある話題も扱われるようになり、求められる語彙数も2,500語へと一気に跳ね上がります。つまり4級は「日常会話をひと通り卒業するレベル」であると同時に、「5級からのより踏み込んだレベルへのスタート地点」ともいえるのです。中検と比較すると、3級から2級へ上がるときのような、ぐっと難易度が上がる感覚に近いかもしれません。
この5級との違いを意識しておくと、学習計画も立てやすくなります。4級の対策だけに集中してしまうと、5級に進んだ瞬間に語彙量の差に圧倒されてしまうことがあります。4級の学習中から、少しずつニュースや読み物に触れる習慣をつけておくと、次のステップへの移行がスムーズになるはずです。
HSK4級で身につく会話力はどれくらい?

4級を取得すると、実際にどのくらい話せるようになるのでしょうか。先ほどもお伝えした内容にはなりますが、筆記のスコアと実際に話せる量は、思っている以上に開きが出やすいところです。試験対策で語彙や文型をインプットしても、それがそのまま口から出てくるとは限りません。目安としては、決まったフレーズを使った自己紹介や、簡単な予定の相談、練習した範囲の受け答えなどが、少しずつ自分の言葉でできるようになってくる段階がイメージしやすいかと思います。
Wǒ juéde méi wèntí
我觉得没问题。
私は問題ないと思います。
Nǐ néng bu néng zài shuō yí biàn?
你能不能再说一遍?
もう一度言っていただけますか?
Zhège gēn wǒ xiǎng de bú tài yíyàng
这个跟我想的不太一样。
これは私が思っていたのと少し違います。
こうしたフレーズを覚えていても、実際の会話では相手の返答が予想外だったり、話すスピードについていけなかったりして、とっさに言葉が出てこないことはよくあります。この「筆記はできるのに話せない」というギャップは、4級に限らず、より上の級でも起こり得るものです。だからこそ、級が上がった後も、アウトプットの練習を意識的に続けていくことが欠かせません。
具体的には、覚えた単語や文型をそのままにせず、自分の生活や意見に置き換えて声に出してみることが効果的です。たとえば关于(guānyú)を使って自分の趣味について一言添えてみる、态度(tàidù)を使って身近な出来事への感想を言ってみる、といった小さな積み重ねが、試験対策と会話力の両方を底上げしてくれます。
日本人がHSK4級でつまずきやすいポイントとは?
日本人学習者が4級の壁にぶつかりやすいのは、主に声調・量詞・語順の3つです。漢字の意味は感覚的に理解できてしまうぶん、発音や声調を後回しにしがちで、気づけば通じない中国語になっていた、というケースも珍しくありません。また、「一本」「一台」のように物によって使い分ける量詞や、日本語とは異なる語順のルールも、4級レベルになるとより複雑な文の中で問われるようになります。
とはいえ、漢字文化圏である日本人には、語彙の意味を推測しやすいという大きな強みもあります。初めて見る単語でも、漢字から意味をある程度予測できるため、読解や作文では有利に働く場面が多いのも事実です。この強みを活かしつつ、リスニングと発音のトレーニングに意識して時間を割くことが、4級突破への近道といえるのではないでしょうか。特に4級からは会話文形式の問題も増えてくるため、耳で聞いて瞬時に意味を捉える練習を、日々の学習に組み込んでおくことをおすすめします。
まとめ
HSK4級は、3級までに培った基礎力を土台に、日常会話から一歩踏み出した実践力が問われる試験です。語彙・難易度・会話力、どの側面から見ても、これまでの「なんとなく」の学習から一段階ギアを上げる必要があるレベルだといえます。ただし、スコアと実際の会話力は必ずしも比例するものではありません。5級という次なる壁を見据えつつ、試験対策と並行してアウトプットの練習を積み重ねていくことが、本当の意味での中国語力につながっていくはずです。


