HSK4級を受験しようと決めたものの、どの参考書を使えばよいのか迷っている方もいるのではないでしょうか。
HSK4級の参考書を選ぶときは、最初から何冊もそろえる必要はないと思います。まず過去問を解き、「4級では何が求められるのか」「今の自分には何が足りないのか」を知る。そのうえで単語帳や読解、リスニングの教材を追加したほうが、必要な勉強に時間を使いやすくなります。
この記事では、実際にHSK4級を勉強した経験をもとに、単語帳や過去問、読解・リスニング教材の選び方から、中級へ進むために意識したいポイントまで紹介します。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 参考書は最初から何冊もそろえず、まず公式過去問で現在地を確認するのが効率的。同じ「解けない」でも語彙不足・時間不足・リスニングと原因が異なるため、必要な教材も変わる。
- 単語帳は「一冊覚えれば合格できる本」ではなく、不足を補うための教材として使う。日本語訳だけで終わらせず、文章のなかでの使い方や音での認識まで確認したい。
- 読解対策本は過去問で弱点が見えてから追加する。4級はリスニングの速さで一段の変化を感じやすく、速さが原因なのか発音の認識が原因なのかを分けて対策する。
HSK4級の単語帳|キクタン初中級で語彙を補う

HSK4級の勉強では、単語帳を一冊用意しておくと語彙を整理しやすくなります。私が使っていたのはキクタン初中級です。
それ以前は大学の教科書を中心に勉強していました。教科書でも新しい単語は学べますし、文章のなかで使い方を確認できるメリットがあります。一方で、HSK対策という視点で考えると弱点もありました。
私が使っていた大学の教科書には、HSKの級に合わせた明確な区分がありませんでした。当時は自分自身もHSKのレベル感を理解していなかったため、「この教科書をここまで勉強すれば4級に対応できる」という判断ができなかったのです。
その点、試験を意識した単語帳には、必要な語彙をまとめて確認しやすいメリットがあります。普段の教材とは別に単語帳を持つことで、抜けている語彙にも気づきやすくなります。
ただし、単語帳だけに頼ることはおすすめしません。
たとえば、単語帳を見れば日本語の意味を答えられるのに、文章に入ると意味をつかめないことがあります。文字では分かる単語がリスニングになると聞き取れないこともあります。また、日本語訳を覚えていても、どのような文脈で使われるのかまで理解できていない場合もあります。
私も中国語を勉強し始めた頃は、単語と日本語訳を結びつけて覚えることに意識が向いていました。しかし、学習が進むほど、それだけでは対応できない場面が増えていきました。
HSK4級の単語帳は「一冊覚えれば合格できる本」ではなく、過去問や普段の学習で見つかった語彙の不足を補うための教材として活用することをおすすめします。
HSK4級の過去問|最初に解くと必要な勉強が見えてくる
過去問というと、試験直前に実力を確認するために解くイメージがあるかもしれません。しかし、私は早い段階から一度解いてみることをおすすめします。
理由は、今の自分とHSK4級との距離が見えるからです。
大学の授業で中国語を勉強していた頃の私は、自分がHSKでいえば何級程度なのか分かっていませんでした。教科書を進めていけば中国語の知識は増えますが、それだけでは「HSK4級を受けたらどのくらい解けるのか」は判断できません。
公式過去問を解くと、その曖昧だった部分が具体的になります。
たとえば、知らない単語が多くて問題文そのものを理解できないのであれば、まず語彙を補う必要があります。文章は読めるものの時間が足りないのであれば、単純な語彙不足とは別の対策が必要です。リスニングで途中から内容についていけなくなるなら、耳から中国語を処理する練習を増やす必要があります。
このように、同じ「問題が解けない」という状態でも原因は異なります。
だからこそ、最初から「4級だから単語帳も読解本もリスニング教材も買おう」と考えるより、一度過去問を解いてから必要な教材を判断したほうが無駄がありません。
一方、過去問にも弱点があります。問題を解いて答え合わせをするだけでは、できない部分を確認しただけで終わってしまうことです。
間違えたときは「何点だったか」だけではなく、なぜ解けなかったのかを見ることが大切です。知らない単語が原因だったのか、文章の構造を理解できなかったのか、それとも音声についていけなかったのか。原因によって次にやるべき勉強は変わります。
HSK4級の読解対策本|過去問を解いてから必要性を判断する

HSK4級の参考書を探していると、単語帳や過去問に加えて、読解対策の教材も気になると思います。
ただ、読解対策本は全員が最初から用意する必要はないと考えています。
まず公式過去問の読解問題を解いてみて、自分がどこでつまずいているのかを確認してみてください。大きな問題なく読めているのであれば、過去問を繰り返し使うだけでも練習できます。
反対に、単語はある程度分かるのに文章全体の意味が取れない、一文ずつ読んでいると時間がかかる、語順や前後のつながりを考える問題で間違える、といった状態であれば、読解に絞った教材を追加する意味があります。
読解対策本のメリットは、自分が苦手な問題を集中的に練習できることです。似た形式の問題を繰り返すことで、どこを見ればよいのかも少しずつ分かるようになります。
一方で、教材を増やしすぎると一冊ごとの復習が薄くなりやすいというデメリットもあります。
もし自分自身が今読解教材を選ぶとすると、過去問を十分に復習できていない段階で次々と参考書を増やすより、まず手元にある問題を丁寧に見直します。それでも読解だけが明らかに弱いのであれば、そこで初めて専用教材を追加します。
「おすすめされているから買う」ではなく、「自分に必要だから買う」。HSK4級では、この順番で参考書を選ぶほうが勉強の目的がぶれにくいです。
HSK4級のリスニング教材|少し速いと感じたら音に触れる量を増やす

HSK4級を勉強していて、それまでの級との違いを私が感じたのがリスニングでした。
実際に問題を聞いたとき、それまでより少し音声のスピードが速くなったように感じました。私にとっては、初級から中級へ一段進んだことを実感したポイントのひとつです。
もちろん、感じる難易度には個人差があります。ただ、リスニングで苦戦している場合、「単語をもっと覚えれば聞けるようになる」と考えるだけでは不十分なことがあります。
中国語を文字で見れば意味が分かるのに、音になると同じ単語だと気づけない。一つの単語の意味を考えている間に音声が先へ進んでしまう。一文だけなら理解できるのに、会話が続くと前半の内容が抜けてしまう。このような状態では、語彙の知識だけでなく、中国語を音のまま追っていく練習も必要です。
スピード追いつけなくて聞き取れなかったのか、発音が聞き取れなかったのか、リスニングで苦戦している要因分析を行うことも重要です。スピードの場合は、速さに耳が慣れるように過去問の音声を繰り返し聞くことが効果的です。発音の場合は、声調やピンインを正しく認識できていない、発音ができていない可能性があるため、このタイミングで正しい音を拾える練習を加える必要があります。
私自身、4級のリスニングでスピードの変化を感じたからこそ、この段階では「知っている中国語」と「聞いて理解できる中国語」を同じものとして考えないことが大切だと感じました。
HSK4級から中級への橋渡し|試験に受かるためだけの勉強にしない
中級以降につなげるのであれば、単語は日本語訳だけで覚えず、文章のなかでどう使われているのかまで見ることが大切です。また、過去問の音声も正解を選んで終わりにせず、聞き取れなかった部分をもう一度確認するとリスニングの練習になります。
さらに、間違えた問題だけでなく、正解した問題にも目を向けてみてください。自信を持って答えられたのか、消去法だったのか、たまたま当たったのかでは、同じ正解でも理解度が違います。
こうした勉強は、単純に問題数をこなすより時間がかかります。短期間で4級の合格だけを目指すのであれば、遠回りに感じることもあるかもしれません。
一方で、文章や音声のなかで中国語を理解する習慣をつけておけば、4級の先にある中級学習にもつながります。
HSK4級のために参考書を何冊買ったかよりも、一冊の教材からどこまで学べたか。その意識を持つことが、4級からさらに中国語力を伸ばしていくためには大切だと感じています。
まとめ
HSK4級の参考書選びで迷ったら、まず公式過去問を一度解いてみることをおすすめします。私自身、大学の教科書で勉強していた頃は、自分がHSKのどの水準にいるのか分かりませんでした。公式過去問を使ったことで4級で求められる力が見え、必要に応じて不足を補えるようになりました。参考書を増やすことを目的にせず、過去問で現在地を確認してから、自分に必要な一冊を選んでみてください。


