中国の大学院へ留学したいと思ったとき、気になることのひとつが中国語のレベルではないでしょうか。「HSKは何級必要?」「6級を持っていれば出願できる?」と調べている方もいると思います。
私自身、2023年に中国の大学院へ出願し、受験を経て合格しました。そのときに分かったのが、中国の大学院には「HSK○級を持っていれば、どこでも出願できる」という共通の基準がないことです。
この記事では、実際に中国の大学院へ出願した経験をもとに、HSKの語学要件や募集要項を見るときのポイント、出願に向けた中国語学習について紹介します。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 中国の大学院留学に必要な中国語レベルに共通の基準はない。大学・学科・授業言語によって異なり、同じ大学でも年度によって基準が変わることがある。
- HSKは「何級か」だけでなく「何点か」まで確認することが重要。5級なら何点、6級なら何点という形で条件が設定されている場合が多い。
- 出願年度の公式募集要項で志望学科の条件を確認し、必要な級・点数から学習を逆算する。条件を満たす見通しが立ったら、専門分野を中国語で学ぶ準備も進める。
中国の大学院留学に必要な中国語レベルは大学・学科によって異なる

中国の大学院留学を考えると、「HSKは何級あればいいのだろう」と考えがちです。しかし、最初に知っておきたいのは、大学院留学に必要な中国語レベルには一律の基準がないということです。
大学によって違うのはもちろん、同じ大学でも学科や専攻によって語学要件が変わる場合があります。また、中国語で授業を受ける課程なのか、英語で授業を受ける課程なのかによっても条件は変わります。
実際、2026年度の募集要項を見ると、南開大学では中国語で授業を行う修士課程への出願にHSK5級180点以上が求められています。前年度までは210点以上だったため、同じ大学でも年度によって基準が変わることがあります。華南師範大学の国際中文教育の修士課程でも、HSK5級180点以上が条件です。
さらに北京大学では、中国語で授業を行う課程について、理工系ではHSK6級200点以上、人文社会科学系では210点以上と、分野によって基準が分かれています。作文の点数にも条件があります。
このように、同じ「中国の大学院への留学」でも必要な中国語レベルには幅があります。
同じHSK5級でも必要な点数は同じではない
大学院出願で見落としやすいのが、HSKの「級」だけではなく「点数」まで条件に含まれる場合があることです。
たとえば、HSK5級を取得していても、出願条件が「HSK5級210点以上」であれば、5級のスコアが180点台では条件を満たせません。
具体的には、大学院によって次のような条件が考えられます。
・HSK5級180点以上
・HSK5級210点以上
・HSK6級に加えて特定科目でも一定以上の点数が必要
そのため、「HSK5級を持っている」「6級まで取得した」という情報だけで出願できるかどうかを判断するのは不十分です。
中国の大学院を目指すなら、まず志望する大学・学科の条件を調べ、その基準から必要な中国語レベルを考える方が効率的です。
HSKは大学院出願の語学要件としてどう使われる?
中国語で授業を受ける大学院へ出願する場合、中国語能力を証明するものとしてHSKの成績が求められることがあります。
HSKは中国語で「汉语水平考试(Hànyǔ Shuǐpíng Kǎoshì)」といい、中国語を母語としない学習者の中国語能力を測る試験です。
大学院出願で特に注意したいのは、「何級を取得したか」と「何点取ったか」の両方を見ることです。
たとえば、華東理工大学の2026年度国際大学院生募集では、中国語で授業を行う課程について「HSK5級210点以上、またはHSK6級180点以上」という条件が設定されています。
一見すると、5級より上位である6級の方が必要点数が低いので、不思議に感じるかもしれません。しかし、級が違えば試験そのものの難易度も異なります。そのため、数字だけを比較して「180点なら簡単」と考えることはできません。
重要なのは、自分がどの級を受験するべきかを一般論で決めるのではなく、志望先が認めている条件から考えることです。
募集要項は必ず出願年度のものを確認する
HSKの語学要件を調べるときは、大学の公式サイトに掲載されている出願年度の募集要項を確認しましょう。
検索すると、数年前の募集要項や留学経験者のブログが上位に表示されることがあります。体験談は出願の流れや準備方法を知るうえでは参考になりますが、当時と現在で語学要件が同じとは限りません。
また、「○○大学はHSK5級」と大学単位で覚えてしまうのも注意が必要です。
募集要項を見るときは、少なくとも次の3点を確認しておくと安心です。
1つ目は、出願する年度
2つ目は、学科・専攻
3つ目は、中国語開講か英語開講か
失敗例は、検索結果に表示された「HSK5級以上」という情報だけを見て、そのまま勉強を進めてしまうことです。級は合っていても、必要点数が足りない可能性があります。
反対に、最新年度の公式募集要項まで確認し、「5級なら何点、6級なら何点」と条件を把握しておけば、自分が目指すスコアも明確になります。
私が中国の大学院に出願したときの経験

私は2023年に中国の大学院へ実際に出願し、受験を経て合格しました。
それ以前から中国語を勉強しており、HSK5級・6級ともに受験経験がありました。そのため、大学院への出願を考えたときも、まずは志望先でどの程度の中国語力が求められているのかを調べました。
当時確認した語学要件は、記憶している範囲では「HSK5級210点、またはHSK6級180点」でした。ただし、これは2023年当時の私の記憶に基づく情報です。現在出願する場合は、最新の募集要項を確認してください。
実際に出願して感じたのは、HSKを先に取得してから大学院を探すというよりも、志望先をある程度決めてから必要な点数を逆算する方が準備しやすいということです。
たとえば、「中国の大学院に行きたいから、とりあえずHSK6級を取ろう」と考えることもできます。しかし、志望先によっては5級の一定点数でも条件を満たせることがあります。反対に、すでに5級を取得していても、点数が基準に届かなければ再受験が必要になる可能性があります。
私自身も大学院への出願を経験したことで、「何級を持っているか」だけではなく、志望先が求める条件と自分のスコアを照らし合わせて考えることが大切だと分かりました。
HSKを取得すること自体を目的にするのではなく、大学院への出願を考えているのであれば、「どこへ出願したいのか」から必要な中国語力を考える。これが、実際に出願を経験して感じたポイントです。
中国の大学院留学を考えたら出願前に準備したいこと
志望大学ではなく「志望学科」まで絞って調べる
中国の大学院を探すときは、大学名だけで語学要件を調べるのではなく、志望する学科や専攻まで確認しましょう。
同じ大学でも、すべての大学院で同じHSK基準が採用されているとは限りません。
大学の公式サイトを確認するときも、「大学院の留学生はHSK○級」という情報だけで終わらず、自分が受験するプログラムの募集要項までたどることが大切です。
必要なHSKの級・点数から勉強を逆算する
志望先が決まったら、必要なHSKの条件から受験時期を考えます。
たとえば、現在5級を持っていても必要点数に届いていないのであれば、5級をもう一度受験して点数を上げる方法があります。一方、すでに6級を勉強しているのであれば、6級の条件を満たすことを目標にする方法もあります。
ここで大切なのは、「大学院留学なら6級を取るべき」と一律に考えないことです。
自分の現在のレベル、出願までに残された時間、志望先の条件を見ながら、どの級を受けるのが現実的なのかを考える方が無理なく準備できます。
専門分野を中国語で学ぶ準備も始める
HSKの条件を満たす見通しが立ったら、入学後を想定した中国語にも少しずつ触れておくとよいと思います。
具体的には、自分の専門分野に関する中国語の記事や論文を読む、中国語の講義を聞く、自分の研究内容を中国語で説明してみる、といった方法があります。
大学院への出願では研究计划(yánjiū jìhuà)、つまり研究計画について考える機会もあります。
HSKで必要な点数を取るための勉強と、専門分野を中国語で学ぶための勉強は、どちらか一方を選ぶものではありません。
出願前はHSKを優先しつつ、条件を満たせるようになってきたら専門分野の中国語にも触れる。このように段階を分けると、大学院留学に向けた中国語学習の目的も見えやすくなります。
中国の大学院留学とHSKに関するよくある質問

中国の大学院留学にはHSK何級が必要ですか?
大学・学科・授業言語によって異なり、共通の基準はありません。2026年度はHSK5級180点以上の大学もあれば、北京大学のようにHSK6級200点以上を求める大学もあるため、志望先の募集要項で確認が必要です。
HSK5級を持っていれば中国の大学院に出願できますか?
級だけでなく点数まで条件になっている場合があります。たとえば「HSK5級210点以上」が条件なら、5級に合格していても180点台では出願条件を満たせません。
大学院の語学要件はどこで確認すればよいですか?
大学の公式サイトに掲載されている、出願する年度の募集要項で確認しましょう。出願年度・学科や専攻・中国語開講か英語開講かの3点をあわせて確認すると安心です。
まとめ|中国の大学院留学は「HSK何級?」だけで判断しない
中国の大学院留学に必要な中国語レベルは、大学や学科、専攻によって異なります。私自身、2023年に出願・受験した経験から、HSKは級だけではなく点数まで確認することが大切だと感じました。まずは最新年度の募集要項を確認し、必要な級・点数から学習を逆算しましょう。そのうえで、専門分野を中国語で学ぶための準備も進めておくと安心です。


