医療現場では、日本語が通じない外国人患者への対応が増えており、中国語話者も例外ではありません。受付や診察の場でとっさに言葉が出てこず、対応に戸惑うこともあるのではないでしょうか。
受付、問診、診察、服薬指導と、場面によって求められる中国語表現は異なります。医療特有の言葉や定型表現を身に付けておくと、患者とのコミュニケーションが円滑になるでしょう。
今回は、医療現場で患者対応の際に使える中国語表現を場面ごとにまとめました。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 医療現場では基本用語に加え、患者を安心させる短い声かけが対応の質を左右する。门诊(ménzhěn)や处方(chǔfāng)などの用語は、使う場面と結び付けて覚えると実践しやすくなる。
- 受付では「请(qǐng)+動詞」の丁寧な依頼表現、診察では質問と指示の使い分けが軸になる。症状は有無から程度・経過へと段階的に尋ねると、患者も答えやすくなる。
- 薬の説明では回数や量をはっきり伝え、副作用が出た場合の対応まで案内する。按时(ànshí)などの表現は、通院や検査の日時を伝える場面にも応用できる。
医療でよく使われる基本の中国語表現
医療の現場では、基本用語を正しく使えるかどうかはもちろん、患者へのちょっとした声かけも対応の質を左右します。
医療現場で頻出の基本用語
受付や問診、患者への説明など、さまざまな場面で使われる基本的な医療用語を紹介します。
| 日本語 | 中国語 | ピンイン |
| 外来 | 门诊 | ménzhěn |
| 問診 | 问诊 | wènzhěn |
| 診断 | 诊断 | zhěnduàn |
| 症状 | 症状 | zhèngzhuàng |
| 検査 | 检查 | jiǎnchá |
| 処方箋 | 处方 | chǔfāng |
「处方(chǔfāng)」は「処方・処方箋」の意味のほか、「処方する」という動詞としても使われます。名詞か動詞かは、前後の文脈で判断しましょう。
医療用語は暗記するだけでなく、実際に使う場面と結び付けて覚えると、受付や診察でも自然に使いやすくなります。
患者に安心感を与える声かけ表現
言葉が通じにくい環境では、患者は普段以上に不安を感じやすくなります。中国語話者の患者に対しても、場面を問わず使える短い声かけ表現を身に付けておきましょう。
不用担心。
Búyòng dānxīn.
心配しなくて大丈夫ですよ。
有不舒服请随时告诉我们。
Yǒu bù shūfu qǐng suíshí gàosu wǒmen.
(気分が悪くなったら、いつでも教えてください。)
如果有什么问题,请随时问我。
Rúguǒ yǒu shénme wèntí, qǐng suíshí wèn wǒ.
(分からないことがあれば、いつでも聞いてください。)
请多保重。
Qǐng duō bǎozhòng.
(お大事になさってください。)
ゆっくり・はっきりとした話し方も、声かけの内容と同じくらい大切です。相手の理解度に応じて、必要であれば繰り返し伝えましょう。
病院の受付で使う中国語表現

受付は、患者が医療機関で最初に言葉を交わす場面で、その後の受診全体の安心感にもつながります。
请问您是第一次来吗?
Qǐng wèn nín shì dì yī cì lái ma?
(初診ですか。)
请出示您的保险证。
Qǐng chūshì nín de bǎoxiǎnzhèng.
(保険証を見せてください。)
请填写这张问诊表。
Qǐng tiánxiě zhè zhāng wènzhěnbiǎo.
(こちらの問診票にご記入ください。)
请稍等一下。
Qǐng shāo děng yíxià.
(少々お待ちください。)
「请(qǐng)+動詞」は、相手に丁寧に依頼する際の型です。受付での案内はこの型を使う場面が多いため、まずは慣れておくと応用が利きます。
受付では書類を渡すだけでなく、必要に応じて記入方法も併せて案内しましょう。
診察で役立つ中国語表現

問診から検査まで、患者に直接語りかける場面が続くため、質問と指示の中国語表現を適切に使い分けることが求められます。
問診でよく使われる質問表現
来院の理由や既往歴を尋ねる、基本の質問表現を紹介します。
您今天哪里不舒服?
Nín jīntiān nǎlǐ bù shūfu?
(今日はどの辺りの具合が悪いですか。)
以前得过什么病吗?
Yǐqián déguo shénme bìng ma?
(これまでに何か病気をしたことはありますか。)
现在在吃什么药吗?
Xiànzài zài chī shénme yào ma?
(現在は何かお薬を服用していますか。)
「不舒服(bù shūfu)」は幅広い不快感を表す言葉ですが、医療現場では症状を限定せずに体調不良を尋ねる際に使えます。
「はい・いいえ」で答えられる質問を交えると、やり取りがスムーズになります。
検査・処置で使う表現
検査や処置では、動作の指示に加え、緊張をやわらげる一言も添えるとよいでしょう。
请张开嘴。
Qǐng zhāng kāi zuǐ.
(口を開けてください。)
请深呼吸。
Qǐng shēn hūxī.
(深呼吸してください。)
我们现在要抽血。
Wǒmen xiànzài yào chōuxiě.
(これから採血します。)
别紧张。
Bié jǐnzhāng.
(緊張しないでくださいね。)
「抽血(chōuxiě)」は採血、「验血(yànxiě)」は血液検査を指します。
処置内容を先に伝えると、患者の不安軽減につながります。
症状を確認する中国語表現
症状を正確に把握するには、有無から程度・経過へと、段階を踏んで尋ねる中国語表現が役立ちます。
症状の有無を尋ねる表現
まずは、代表的な症状の有無や部位を尋ねる表現を押さえましょう。
咳嗽吗?
Késòu ma?
(咳は出ますか。)
痒吗?
Yǎng ma?
(かゆみはありますか。)
哪里疼?
Nǎlǐ téng?
(どこが痛いですか。)
还有其他不舒服的地方吗?
Hái yǒu qítā bù shūfu de dìfang ma?
(他に気になる症状はありますか。)
症状の有無は「動詞・形容詞+吗(ma)?」の型、部位を尋ねる際は「哪里(nǎlǐ)」を使います。
言葉に加えて指差しも使うと、症状を把握しやすくなります。
症状の程度・経過を尋ねる表現
ここでは、症状の程度や経過について、患者が答えやすい尋ね方を紹介します。
症状是什么时候开始的?
Zhèngzhuàng shì shénme shíhou kāishǐ de?
(症状はいつからですか。)
是持续性的还是间歇性的?
Shì chíxùxìng de háishì jiànxiēxìng de?
(ずっと続いていますか、それとも時々ですか。)
症状有加重吗?
Zhèngzhuàng yǒu jiāzhòng ma?
(症状はひどくなっていますか。)
「是(shì)A还是(háishì)B?」は、2つの選択肢を示して答えを促す型です。程度や経過は説明しにくいため、この型を使うと答えやすくなります。
薬に関する中国語表現

診察後は、薬の受け渡しと服薬指導の場面です。飲み方や注意点を正しく伝えることは、治療効果にも関わります。
薬を説明するときの表現
処方内容や服用方法を伝える際によく使う表現です。
我给您开这个药。
Wǒ gěi nín kāi zhège yào.
(この薬を処方します。)
一天三次,饭后吃。
Yìtiān sāncì, fànhòu chī.
(1日3回、食後に服用してください。)
一次一片。
Yícì yípiàn.
(1回1錠です。)
回数や量を伝える際は、数字をはっきりと発音しましょう。
薬袋や説明書の該当箇所を指し示しながら説明すると、聞き取りづらい場合でも伝わりやすくなります。
服薬指導で使う表現
服用にあたっての注意点や、副作用が出た場合の対応を伝える表現を確認しましょう。
请按时服药。
Qǐng ànshí fúyào.
(時間を守って服用してください。)
请不要和其他药一起吃。
Qǐng bú yào hé qítā yào yìqǐ chī.
(他の薬と一緒に服用しないでください。)
如果出现皮疹等副作用,请立即停止服用并就医。
Rúguǒ chūxiàn pízhěn děng fùzuòyòng, qǐng lìjí tíngzhǐ fúyòng bìng jiùyī.
(発疹などの副作用が出た場合は、すぐに服用を中止し受診してください。)
「按时(ànshí)」は「時間通りに」という意味で、服薬指導以外に通院や検査の日時を伝える際にも使えます。
副作用が疑われる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談するよう伝えましょう。
まとめ
最後に、医療現場で使う中国語表現の要点を振り返りましょう。
- 医療でよく使う基本用語と、安心感を与える声かけを押さえる
- 受付では、案内から誘導まで丁寧な依頼表現で伝える
- 問診・検査では、質問と指示の中国語表現を使い分ける
- 症状は、有無から程度・経過へと段階的に確認する
- 薬に関する場面では、数字や注意事項を正確かつ丁寧に伝える
言い間違いや聞き取りミスは、患者に不安を与えたり、誤解を招いたりすることにもなりかねません。オンラインレッスンなどで発音や言い回しを練習しておけば、とっさの場面でも落ち着いて対応しやすくなるでしょう。


