【中国語の勉強】何から始める?発音・文法・単語の効率的な学習方法

【中国語の勉強】何から始める?発音・文法・単語の効率的な学習方法

「中国語を勉強したいけれど、何から手をつければいいのかわからない」

そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。中国語は日本人にとって「漢字」という共通点があるため、習得しやすい言語の一つです。

こちらの記事では、初心者がまず取り組むべき「発音」や「ピンイン」の基礎から、効率的な「単語・文法」の習得順序まで、挫折しないための勉強法をわかりやすく整理していきます。

目次

中国語は「発音」が9割!最優先で取り組もう

中国語は「発音」が9割!最優先で取り組もう


中国語の勉強において、最初にして最大の難関が「発音」です。ここを疎かにすると、いくら単語を覚えても全く通じないという事態に陥ります。

「単語の学習が先じゃない?」と思われがちですが、中国語を話すことをゴールとする場合は、圧倒的に発音から入るのがおすすめです。

四声(声調)という音の上がり下がり

中国語には、音の上がり下がりで意味が変わる「四声(声調)」というルールがあります。

例えば「ma」という音でも、高く平らに発音すれば「母」、上がれば「麻」、下がって上がれば「馬」、下がれば「罵る」という意味になるため、混同しやすいのです。

カタカナ発音からの脱却

また、初心者がやりがちな失敗は、聞こえた音をカタカナでメモしてしまうことです。

例えば、中国語の挨拶といえば「ニーハオ」と考えることが多いと思いますが、中国人相手にしっかりと意味を伝えたい場合、「ニーハオ」とカタカナで覚えるよりも、「nǐ hǎo」で覚える必要があります。

というのも、カタカナの「ニーハオ」では声調が再現できず、特に「你(nǐ)」の3声が1声のように聞こえてしまうため、意味が正しく伝わりにくくなるのです。

※ピンインについては次の項目で詳しく解説します。

読めないと始まらない!「ピンイン」の基礎知識

発音学習とセットで覚えなければならないのが、中国語のアルファベット表記である「ピンイン(拼音)」です。

ピンインは英語のアルファベットとは違う

ピンインは、漢字の読み方をアルファベットで表したものですが、英語の読み方とはルールが異なります。

  • zh, ch, sh,r:そり舌音(舌を巻いて出す音)
  • e:エとオの中間のような音
  • ü:口をすぼめて出す「イ」に近い音

このように独特なルールがあるため、まずはこのピンインの読み方をマスターする必要があります。

英語のイメージで取り掛かると、上達するようで全く上達しないというジレンマに陥ってしまうので注意です。

中国語学習の意外なアドバンテージ

発音とピンインの基礎ができたら、次は「単語」を増やしていきます。ここで「漢字」を普段から駆使する、日本人の強みが活きてくるのです。

漢字の意味から推測できるアドバンテージ

英語学習では、まず「Apple=りんご」と単語の意味を覚えるところから始まりますが、中国語の場合、日本人はすでに多くの単語の意味を知っています。

中国語を全く知らないのになぜか「読める!」という経験は、意外と多くの日本人が体験したことがあるでしょう。以下具体例ですが、かなり似ているのが分かります。

  • 学生(xué sheng):学生
  • 图书馆(tú shū guǎn):図書館
  • 电话(diàn huà):電話

このように、日本語と同じ、あるいは似ている漢字が多いため、ゼロから覚える必要がないのです。

「簡体字」の形を覚えるだけ

注意点は、中国で使われている漢字が日本の漢字を簡略化した「簡体字」であることです。

中国本土の中国語(普通話)を学ぶ場合は簡体字が標準ですが、台湾華語を学ぶなら繁体字を使います。目的に合わせて選びましょう。

繁体字→簡体字の例

  • 気→气
  • 楽→乐

日本人からすると「繁体字」の方が、漢字に近いので覚えやすいと思われがちですが、広く使える中国語を学びたいのであれば、簡体字から学ぶのがおすすめなのです。

実は英語より簡単?中国語「文法」のシンプルさ

実は英語より簡単?中国語「文法」のシンプルさ

「文法」と聞くと難しそうに感じますが、中国語の文法は比較的シンプルです。

基本は英語と同じSVO型

語順は英語に近く、「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」が基本です。

我(I) 爱(love) 你(you)。
訳)私はあなたを愛しています。

「てにをは」や「活用」がない

日本語のような「てにをは(助詞)」もなければ、英語のような「過去形」「複数形」による動詞の変化もありません。

単語をパズルのように並べるだけで文が成立するため、日本人にとっては英語よりも理解しやすい側面があります(一方で、動詞の活用がないため文法はシンプルですが、語順のルールは厳しいため慣れが必要)。

一方で、そこが違和感になる方も一定数存在するので、「そういうものだ」と考えるマインドも重要です。

初心者が挫折しないための効率的な「勉強法」

最後に、これらをどのような順番で勉強すれば良いのか、おすすめのロードマップの最初の部分をご紹介します。

序盤失敗しなければスムーズに学習が進むので、ぜひ参考にしてください。

最初の1ヶ月は発音とピンインに集中

いきなり単語帳を買うのではなく、最初の1ヶ月はYouTubeの解説動画や発音矯正アプリを使って、徹底的に「音」を体に染み込ませましょう。

中国語検定やHSK(漢語水平考試)などの資格試験を目指す場合でも、リスニングの配点は高いため、初期段階での発音学習が合否を分けます。

おすすめは「音読」

ある程度音がわかってきたら、ネイティブの音声を真似して発声する「音読」がおすすめです。

これは中国語に限りませんが、音の基盤を作るのはもちろん、脳内で自然と言語を理解しようと働いてくれるようになるので、いわゆる「勉強感」を感じず自然と言語が身につきます。

結果として会話にも使える能力が付いていくので、最初から最後までずっと役立つ勉強テクニックです。

最初は短文からスタートし、段々と長くしていきましょう。

まとめ

こちらの記事では「中国語の勉強」をテーマに、発音の重要性や単語・文法の特徴、そして効率的な学習ステップについて解説しました。最後にポイントを復習しましょう。

  • 勉強の9割は「発音(四声)」できまるほど重要
  • 読み仮名である「ピンイン」の習得が必須
  • 日本人は漢字の知識を応用すれば勉強が楽になる
  • 文法はシンプルだが若干癖もある

中国語は「入り口(発音)」さえクリアすれば、日本人にとっては非常に伸びやすい言語です。ぜひ今日から、まずはピンインの動画を見ることから始めてみてください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

監修者:Fei
中国北京市出身。北京首都師範大学卒業、筑波大学大学院修了。
指導歴15年、「美しい中国語」を届ける人気講師として幅広く支持されている。
HSK公式単語アプリのナレーターを務め、2025年大阪万博中国パビリオンで日中バイリンガル司会を担当。YouTubeでは今どき中国語「フェイ先生の声日記」を発信中。

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