日本の伝統的な食べ物「お好み焼き」は、中国でも一部の都市で本格的なものを食べることができます。
上海や北京などの大都市では、日本料理店や専門店、チェーン店などで提供されており、日本料理の一つとして紹介されることがあります。
中国では、「大阪烧(大阪焼)」などと表記されることが多く、店舗によっては「日式煎饼」と説明される場合もあります。味や具材は、現地の食材や好みに合わせてアレンジされているケースも見られます。
「日式煎饼」という表現は便宜的な説明として使われることがあり、中国の伝統的な「煎饼類」とは異なる料理です。
本記事では、日本の「お好み焼き(大阪烧)」を中心に、中国での受け止められ方や現地化したアレンジについて紹介します。
中国の屋台料理「煎饼果子」とは別の料理ですが、外見や調理法が似ているため比較されることがあります。
どこで食べられるの?

専門チェーン店
上海や北京、広州、深圳などの大都市には、日本の有名なお好み焼きチェーン店が進出している場合もあります。日本の味や店内の装飾、サービスをそのまま持ち込んで、日本のお好み焼きを提供しています。
個人店
日本人のオーナーや、日本でお好み焼きを学んだ中国人オーナーが、個人でお好み焼き店を開店しているケースがあります。居酒屋形式になっていて、日本の味をそのまま提供している場合もありますし、中国人向けにアレンジしているケースもあります。
フードコート
日系デパートや大型ショッピングモール内のフードコートで提供されていることがあります。中国人はもちろん、中国で生活している日本人や家族連れにも人気となっています。
中国語でお好み焼きの作り方を学ぼう

ここでは、中国語でお好み焼きの作り方を説明する際のポイントを、工程ごとに解説します。
以下は、日本のお好み焼きをベースに、中国の家庭で作りやすい形にアレンジした例です。
生地作りのコツ
中国語で「面糊」と呼ばれる生地作りはお好み焼きの成功の鍵です。小麦粉と水の比率は1:1.2が基本ですが、好みで調節します。中国の家庭では、生地にとうもろこし粉を加えることもあり、これがほのかな甘みと香ばしさを生み出します。中国語で「Z字形搅拌」(Z字型にかき混ぜる)という方法が推奨されることが多いです。日本でもお馴染みですが、ダマを作らず、混ぜすぎも防ぐことができる効果的な混ぜ方です。
焼き方の極意
中国で、お好み焼きは日本の鉄板焼き料理として知られていますが、中国風にアレンジされたバージョンも見られます。ここでは、家庭で作れる中国風お好み焼きの焼き方を説明します。
- 生地を作る
ボウルに小麦粉、水、卵を入れ、ダマがなくなるまで混ぜて、とろりとしたクリーム状の生地にします。 - 具材を加える
生地にキャベツ、ネギ、生姜、調味料(醤油、ごま油、塩・胡椒)を加えて、均一に混ぜ合わせます。中国では、ニラ、モヤシ、キクラゲなど地元の野菜を使うこともあります。 - 焼く
- フライパンまたは鉄板に油をひいて、中火で温めます。
- 生地を流し入れて、薄く円形に広げます。その上に豚肉薄切りを並べます。
- 片面がきつね色になるまで約5分焼き、ひっくり返して反対側も同様に焼きます。
- 日本のように鉄板で焼くだけでなく、中国では「煎餅」のように薄く焼く場合もあります。
- 仕上げ
焼き上がったお好み焼きに、お好みでソースを塗り、青海苔や鰹節を振りかけます。ウスターソースの代わりに、甜麺醤や豆板醤を少量加えて、中華風の味わいにすることもできます。
中国ならではのアレンジ
ここでは中国語で学ぶ具材や、中国独自のアレンジについてご紹介していきます。
主要な具材を中国語で覚えよう
1. 小麦粉:面粉(miànfěn)
2. キャベツ:白菜(báicài)
3. 豚肉:猪肉(zhūròu)
4. 卵:鸡蛋(jīdàn)
5. 長ネギ:大葱(dàcōng)
6. 紅しょうが:红姜(hóngjiāng)
中国ならではの具材
中国では日本の食材が手に入らない場合も多いため、以下のような代替品が使われることがあります。
1. だしの代替:日本のだしの素の代わりに鶏がらスープの素(鸡精)
2. ソースの代替:お好み焼きソースがないので、醤油、オイスターソース、甜麺醤などを混ぜて独自に作ります
3. 天かすの代替:揚げた麺(炸面条)を砕いて使用
「中国化」されたお好み焼き
中国では日本のお好み焼きが現地の食文化と融合し、独自の発展を遂げています。
- 煎饼果子との融合:天津の有名な屋台料理「煎饼果子」とお好み焼きを融合させた「煎饼烧」が存在すると紹介されることがあります
- 火鍋との組み合わせ:お好み焼きを小さく切って火鍋の具材として提供される例も紹介されています
- 朝食としての進化:朝食として食べられるように、具材を簡素化して、持ちやすいサイズにしたものが存在します
中国におけるお好み焼きの普及

お好み焼きのはじまり
お好み焼きが中国に伝わったのは、1980年代の改革開放政策以降です。1980年代後半から1990年代にかけて、日本食ブームとともに広まりました。日本企業の進出に伴って、日本食レストランが大都市にオープンし、そのメニューの1つとしてお好み焼きも持ち込まれました。その後、日本の漫画やアニメの影響で、若者を中心に日本文化への関心が高まり、お好み焼きを含む日本食ブームが起こりました。この時期、中国語の料理本やテレビ番組でもお好み焼きが紹介されるようになり、現在は上海、北京、広州などの大都市で、日本料理店のメニューとして定着しています。中国語では当初、「日本式披萨」(日本のピザ)と呼ばれることもありましたが、次第に「大阪烧」や「日式煎饼」という呼び名が定着しました。
中国における発展と変容
2000年代に入ると、お好み焼きは単なる「日本料理」から、「中国化された日本料理」へと変容していきます。
材料の現地化
日本では一般的な天かすや紅しょうがですが、中国では手に入りにくいため、中国で入手可能な材料で代用されるようになっていきます。また、野菜を多く摂取できる料理として、健康意識の高い層からも支持されています。
味覚の適応
中国の味覚に合わせてソースが調整され、日本でお馴染みのウスターソースベースのお好み焼きソースから、醤油とオイスターソースをベースにしたものへと変化しました
食べ方の変化
日本では鉄板の前で、自分で焼いて食べることが多いですが、中国では厨房で料理してテーブルに運ばれて食べるスタイルが一般的です
新しい文化
日本でもそうですが、中国ではより、友達や家族とワイワイ食べる料理という社交的な側面が強調されるようになりました。また、作り方やアレンジを紹介する動画が中国のSNSで人気を集めています。
このように、中国にけるお好み焼きは、単なる外国料理の模倣ではなく、中国の食文化に取り込まれた「現地化された日本料理」としての性格が強くなっています。
まとめ
日本の伝統料理であるお好み焼きは、日本食ブームと共に中国に伝わって、今や独自の発展を遂げています。
材料面では、現地で手に入れやすい食材への置き換えが進み、味付けも中国の味覚に合わせて変化しています。特にソースは、オイスターソースを加えたものや、麻辣味にアレンジされるなど、多様性にも富んでいます。作り方も、中国の調理器具や調理法が取り入れられ、日本とは少し異なる手法が確立されつつあります。このように、中国では日本の伝統的なお好み焼きをベースに、現地の食材や味覚に合わせてアレンジして楽しまれています。これからも、中国のお好み焼きは進化を続け、新たなバリエーションが生まれていくことでしょう。
料理は文化の架け橋です。お好み焼きを通じて、日本の食文化を中国の方々に紹介したり、中国風アレンジを楽しんだりすることで、より深い文化的理解が生まれるはずです。ぜひ、自分の家庭でも中国風お好み焼きに挑戦して、その美味しさを体験してみてください。

