「文法通りに話しているはずなのに、なぜか相手が『?』という顔をする……」
「もっと感情やニュアンスを込めた、豊かな表現力を身につけたい!」
中国語学習が進んでくると、単に「通じる」だけでなく「ネイティブのように自然に表現したい」という欲求が出てきます。しかし、ここで大きな壁となるのが「日本語と中国語の表現ルールの違い」です。
例えば、日本語の「見てくるね」を直訳して「去看(行って見る)」と言っても、中国語では少し違和感があります。中国語には中国語独自の「動作の捉え方」があるからです。
こちらの記事では、メインテーマである「中国語の表現」を軸に、日本人と中国人の思考回路の違い、表現力を倍増させる「補語」の魔法、そして明日から使えるこなれたフレーズ例まで徹底解説します。
【中国語】日本人が陥りやすい表現の罠

まず、なぜ「直訳」が通じないのか、その根本的な原因を知ることから始めましょう。
「曖昧」vs「結果重視」
日本語と中国語のルールを比較すると、日本語は「状況」を伝える言語ですが、中国語は「結果」をはっきりさせることを好む言語です。
例えば「探したけど見つからなかった」と言う時、日本語では「探した」だけで通じますが、中国語では「探した(動作)」+「見つからなかった(結果)」までセットで表現しないと、文章として未完成に聞こえることが多いのです。
もう少し解像度を上げると日本語の場合はある一定の「察する力」が働きますが、中国語の場合は「全部伝える」ことが重要となります。
表現の解像度を上げる「補語」
この「結果」を補足する役割を持つのが、中国語特有の文法「补语(bǔ yǔ)」です。
「食べる(吃)」という動詞一つとっても、補語をつけるだけで表現の幅が劇的に広がります。
| 日本語 | 中国語(ピンイン|読み) | 表現の仕組み |
|---|---|---|
| 食べ終わった | 吃完了(chī wán le) | 食べる+完了する |
| お腹いっぱい食べた | 吃饱了(chī bǎo le) | 食べる+満腹になる |
| 食べられない(量やアレルギーで) | 吃不了(chī bu liǎo) | 食べることが+不可能 |
ネイティブらしい表現力を手に入れる近道は、難しい単語を覚えることではなく、この「簡単な動詞+補語」の組み合わせをマスターすることにあります。
英語の場合は「単語」が特に重要視されますが、中国語の場合はこのように「セットで覚える」ことが重要なのです。
※もちろん英語でもセットで覚えることで効率化することができます。
【中国語】感情やニュアンスを伝える表現例

ここまでは中国語のルール的な背景を学んできましたが、次はより実用的なルールです。
教科書的な表現から一歩進んで、感情の色がついた「生きたフレーズ」を見ていきましょう。
「思う」の使い分け
まず話す上で頻繁に使う「~だと思う」の「思う」についてです。
日本語の「〜だと思う」は万能ですが、中国語では確信度によって言葉を使い分けます。
- 觉得(jué de):「(感覚的に)〜気がする」。日常会話で最も使います。
- 认为(rèn wéi):「(論理的に)〜と考える」。会議や議論で意見を述べる時に。
- 想(xiǎng):「〜したい」または「〜だろうと推測する」。
こちらは先に紹介した「察する」の部分を排除して、しっかりと伝えることが大前提のルールだからこその使い分けです。
もちろん日本語でも「思う」と「考える」「だろう」などは違う書き方をしますが、どれを使っても違和感があまり大きく出ない上、日常会話でも混同している人が日本語ネイティヴの人でさえ多いのが特徴です。
強調表現のバリエーション
強調表現は日常会話でもすごく重要なボキャブラリーの一つですが、こちらも中国語では少し癖があります。
とくに中国語初心者の方程便利だという理由で「とても(很)」ばかり使いがちです。
強調の表現を変えるだけで、感情の強さがより鮮明に伝わります。
強調表現のバリエーション▼
| レベル | 中国語表現 | 日本語イメージ |
|---|---|---|
| 基本 | 很(hěn)〜 | とても〜 |
| 強 | 非常(fēi cháng)〜 | 非常に〜、大変〜 |
| 感情的 | 太(tài)〜了 | 〜すぎる!最高に〜だ! |
| 若者言葉 | 超级(chāo jí)〜 | 超〜、めっちゃ〜 |
例えば、ご飯を食べて単に「好吃(美味しい)」と言うよりも、「太好吃了!(タイハオチーラ!)」と言った方が、感動している様子が相手に伝わります。
こちらも「日本人ならこのくらい察してくれるだろう」と考えがちな部分を取っ払い、しっかりと伝えてあげることが重要だからこそのことです。
【中国語】表現力を磨く学習のコツ

表現力を磨いていく上では、やはりネイティヴの方達がプロフェッショナルとなります。
どうすれば「日本人っぽい中国語」から脱却できるのでしょうか。効果的なトレーニング方法をご紹介します。
口癖(相槌)をネイティブ化する
会話をしていく上で特に重要なのはいわゆる「相槌」です。
特に「はい、はい」「そうそう!」といった日常会話の相槌(あいづち)を中国語のリズムに変えるだけで、一気にネイティブらしくなります。
以下の動画は、ネイティブがつい口にしてしまう自然な「重ね言葉(対対対!など)」を解説しており、非常に参考になります。
「言い換え」の練習をする
相槌の他にも、言い換えの練習をすることが重要です。
わからない単語があった時、すぐに辞書を引くのではなく、「知っている簡単な言葉で説明する」練習をしましょう。
例えば「冷蔵庫(冰箱)」という単語を忘れたら、「冷たい箱(冷的箱子)」や「食べ物を入れるところ(放吃的地方)」と言い換える。
とにかく関連付けてどんどん言葉を覚えていくことが重要なので、一つでとどまらずにどんどん知っていきましょう。
まとめ
こちらの記事では「中国語の表現」をテーマに、直訳では伝わらないニュアンスや、表現力を高めるコツについて解説しました。最後に重要なポイントを復習しましょう。
- 中国語は「結果」を重視する言語。動詞+「補語」を使いこなすのが鍵
- 「觉得(思う)」や「太〜了(〜すぎる)」で感情の解像度を上げる
- 「很(とても)」の一辺倒から卒業し、「超级(めっちゃ)」なども使う
- わからない単語は「言い換え」で乗り切る力をつける
言葉は単なる情報の伝達ツールではありません。あなたの「人柄」や「想い」を伝える魔法です。
表現力をさらに豊かにするために、中国独自の言い回しである「成語」を学ぶのもおすすめです。ぜひ色々な表現を学んでみてください。

