私が中国語の中級の壁を強く感じたのは、留学中ではなく、日本に帰ってきてからでした。
留学当初の私は、ほとんど中国語を話せない初級レベルからのスタートでした。そのため、新しい単語を覚えた、先生の質問が聞き取れた、自分の言葉で一文返せた、といった小さな変化でも成長を感じやすかったです。
ある程度の語彙がインプットされ、日常的な会話であれば、ある程度の対応ができるようになった頃から、以前のような成長の手応えを感じにくい日々が続きました。
そこで初めて気づいたのが、中級以降の伸び悩みは、単純に中国語の知識が足りないことだけが原因ではなかったということです。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 中国語の中級で成長を実感しにくくなるのは、次に必要な力が変わるから。初級のように「できなかったことができる」変化が見えにくくなり、停滞期を感じやすい。
- 中級の壁の正体は語学力だけではなく「何を言いたいか」が自分の中にないこと。時事問題や日本文化、自分の意見は、日本語でも答えられなければ中国語でも話せない。
- 停滞期を抜けるには「話す材料」を増やすことが大切。Podcastで話せるテーマを増やし、ニュースで知識を蓄え、交流アプリでネイティブに添削してもらう方法が役立った。
中国語中級になると、成長を実感しにくくなった

私の場合、留学当初は話せることが少なかったため、できることが一つ増えるだけでも大きな変化に感じられました。
たとえば、以前は聞き取れなかった先生の質問が分かるようになる。買い物で必要なことを自分から伝えられる。クラスメイトとの短い会話が続くようになる。
初級の頃は、このように「できなかったことができるようになる」という変化が目に見えやすく、勉強した分だけ前に進んでいる感覚がありました。
基本的な文法は理解している。発音も以前より安定している。知っている単語も増えている。まったく中国語を話せないわけでもありません。
それでも、「もっと自由に話せるようになっているはずなのに、思っていたほど話せない」と感じる瞬間が徐々に増えていきました。
初級の頃のように、単語を100個覚えたから急に会話が楽になるわけでもありません。新しい文法を一つ覚えても、自分の中国語が大きく変わったようには感じませんでした。
勉強していないわけではないのに、以前ほど成長を実感できない。
これが、私が最初に感じた中国語の停滞期でした。
ただ、今振り返ると、成長そのものが止まっていたというよりも、初級の頃とは「次に必要な力」が変わっていたことが要因でした。
中国語「中級の壁」の正体は、語学力だけではなかった
停滞期を迎えてから、中国語を使うなかでその原因が少しずつ見えるようになりました。
私の場合、ある程度テーマが決まっている会話には問題なく意思疎通が出来ていました。
仕事について話すと分かっていれば、仕事に関係する単語や表現を頭から引き出せます。旅行がテーマなら、行った場所や食べたものについて話せます。
一方で、難しかったのは話題を予測できない雑談や、自分の考えを求められる会話でした。
たとえば、次のような場面です。
一つ目は、最近の時事問題について聞かれたものの、ニュース自体を詳しく知らず、自分の意見を言えなかったときです。
二つ目は、日本の歴史や文化について聞かれて、中国語以前に説明するための知識が足りなかったときです。
三つ目は、「あなたはどう思う?」と聞かれ、「面白いと思う」「私は好き」といった感想は言えても、なぜそう感じるのかまで説明できなかったときです。
最初は、これらも中国語力の問題だと思っていました。
もっと単語を知っていれば話せる。もっと表現を覚えれば説明できる。そう考えていました。
しかし、同じような場面が増える度に、日本語で同じ質問をされたとしても、自分はすぐに答えられないのではないかと感じるようになりました。
時事問題を知らなければ、日本語でも意見は言えません。日本の歴史について知識がなければ、日本語でも詳しい説明はできません。普段から自分の感情を「なんとなく好き」「なんとなく苦手」で終わらせていれば、その理由を聞かれてもすぐには言葉にできません。
ここで初めて、「中国語で言えない」のではなく、そもそも「何を言いたいのか」が自分の中にない場合もあると気づきました。
中国語の停滞期に、語彙のインプットを増やすだけでは足りなかった

中級で伸び悩んだときに陥りやすいのが、「もっと中国語を覚えなければ」と考えることです。私自身も、語彙や表現を増やすことに意識が向いていました。
もちろん、単語や文法を勉強することにはメリットがあります。
語彙が増えれば理解できる文章は増えますし、文法を身につければ表現の選択肢も広がります。中級以降もインプットが必要であることは変わりません。
一方で、中国語のみのインプット中心の勉強には弱点もありました。
それは、覚えた中国語と「自分が実際に話したいこと」が結びついていなければ、会話では思うように使えないことです。
たとえば、単語帳では意味が分かる単語なのに、会話になると出てこないことがありました。
文法問題なら正しい答えを選べるのに、自分の意見を話すときには、その文法を使って文章を組み立てられないこともあります。
さらに、相手の質問を理解できていても、「そうですね」「私もそう思います」と短く返すだけでは会話は広がりません。
こうした経験から、私は単語帳や文法書を使う勉強が間違っていたのではなく、それだけで中級の壁を越えようとしていたことに限界があったのだと思うようになりました。
中級以降では、それに加えて「知っている中国語を使って、自分は何を伝えられるのか」という視点が必要でした。
中国語の停滞期を抜けるために変えた3つのこと
中級の壁を感じてからは、中国語の知識を増やすことだけではなく、自分の中に「話せること」を増やすことも意識するようになりました。
Podcastで中国語と「話せるテーマ」を一緒に増やす
Podcastは、中級以降の学習で役立ったものの一つです。
たとえば、働き方についての内容を聞けば、自分は今の働き方をどう感じているのか考えるきっかけになります。人間関係がテーマなら、自分の経験と比べることもできます。日本と中国の文化の違いが扱われていれば、自分ならどう説明するかを考えられます。
一方、Podcastにもデメリットはあります。
ただ聞くだけになってしまうと、内容を理解して終わりになりやすいことです。聞き取れることと、自分で同じテーマについて話せることは別でした。
そのため、聞いたあとに「自分だったらどう考えるだろう」と一度立ち止まることが大切だと感じました。
普段からニュースを見て、中国語以外の知識も増やす
もう一つ変えたのが、普段からニュースを見ることです。
中国語を上達させたいと考えると、中国語の教材を増やすことに意識が向きます。しかし、私の場合は日本語でニュースを見ることも結果として中国語での会話に役立ちました。
社会問題、海外情勢、経済、文化などについて知識があれば、その話題を振られたときに自分の意見を考えるための土台ができます。
具体的には、ニュースを見たときに「何が起きたのか」だけで終わらせず、「自分はどう感じたか」「なぜそう思ったのか」「自分の生活とはどこで関係するのか」まで考えるようにしました。
もちろん、ニュースを見るだけで中国語の語彙や発音が直接伸びるわけではありません。これがデメリットでもあります。
ただし、私が中級で不足していた「話す材料」を増やすという意味では役立ちました。
交流アプリを使って中国人に添削してもらう
中級の停滞期には、中国人と交流できるアプリも活用しました。特にコロナ禍では、中国語を使う機会をどう維持するかという点でとても役立ちました。
留学中とは違い、日本では自分から動かなければ中国語を使う機会が減ってしまいます。当時使っていた交流アプリでは、中国語で文章を投稿すると、5分もたたないうちに複数の中国人が添削してくれることもありました。
添削を受けると、文法的には間違っていなくても「中国人ならこう表現する」という自然な言い回しに気づけます。日本にいながら中国語で交流できたことも、学習を続けるうえで大きなメリットでした。
一方、添削する人が中国語教育の専門家とは限らず、人によって直し方が異なる点には注意が必要です。交流アプリだけに頼るのではなく、参考書などで学んだ中国語を実際に使い、ネイティブの反応を確かめる場所として活用するのがおすすめです。

中国語の中級の壁に関するよくある質問
中国語の中級で伸び悩むのはなぜですか?
初級の頃とは次に必要な力が変わり、成長が目に見えにくくなるためです。筆者の場合は、話題を予測できない雑談や意見を求められる会話で、何を言いたいかが自分の中にないことも原因でした。
中国語の停滞期は単語や文法の勉強を増やせば抜けられますか?
インプットは中級以降も必要ですが、それだけでは覚えた中国語を会話で使えないことがあります。知っている中国語を使って自分が何を伝えられるかという視点も持つことが大切です。
中国語の停滞期を抜けるために何をすればよいですか?
筆者は、Podcastで話せるテーマを増やす、普段からニュースを見て知識を増やす、交流アプリで中国人に添削してもらう、の3つを実践しました。中国語以外の知識も含めて「話す材料」を増やすことが役立ちました。
まとめ|中国語中級の伸び悩みは、次に伸ばす力を見直すきっかけになる
私が中国語中級の壁を強く感じたのは、基本的な文法や発音、語彙が身についたからこそ、その先では「何を話すか」「自分はどう考えるか」という別の課題が見えてきました。
単語や文法を増やしても伸びを感じられないときは、中国語以外にも目を向けてみるのがおすすめです。中級以降は、中国語をどれだけ知っているかだけでなく、その中国語を使って何を伝えたいのかを育てることも大切だと感じています。


