「中国語の漢字の下にあるアルファベット(ピンイン)って何のためにあるの?」
「発音が難しすぎて、ピンインを見ただけで心が折れそう……」
中国語学習を始めると、最初に必ず直面するのが「拼音(pīn yīn|ピンイン)」です。見慣れたアルファベットですが、英語読みとは全く異なるルールで動いているため、ここでつまずいてしまう学習者が後を絶ちません。
しかし、断言します。ピンインは中国語学習における「最強の武器」です。これさえ読めるようになれば、どんな難しい漢字でも発音でき、スマホやPCでスラスラと中国語を入力できるようになります。
こちらの記事では、メインテーマである「中国語のピンイン」を軸に、読み方の基本ルール、日本人が陥りやすい発音の罠、効率的な学習法、そして便利な入力変換テクニックまで徹底解説します。
【中国語】ピンインとは?基本ルールと仕組み

ピンインとは、一言で言えば「中国語のふりがな」です。1958年に制定された発音表記法で、アルファベットを使って音を表します。
中国語の音は、基本的に以下の3つの要素で構成されています。
音の3大要素
まずはこの3つの組み合わせで音が成り立っていることを理解しましょう。
| 要素 | 説明 | 例(mā の場合) |
|---|---|---|
| 声母(shēng mǔ) | 頭の子音。音の出だし。 | m |
| 韵母(yùn mǔ) | 後ろの母音。音の響き。 | a |
| 声調(shēng diào) | 音の高さ(トーン)。意味を決める。 | ¯(第一声) |
この「声母(21個)」と「韵母(36個)」の組み合わせで、約400通りの音が生まれます。「400も覚えるの!?」と思うかもしれませんが、ローマ字読みと共通するものも多いので、全くのゼロからではありません。
声調(トーン)こそが命
ピンインの上に付いている小さな記号、これが「声調(四声)」です。
中国語では、同じ「ma」という音でも、トーンが違うだけで「お母さん(mā)」、「麻(má)」、「馬(mǎ)」、「罵る(mà)」と全く別の意味になります。ピンインを覚える時は、必ずこの記号とセットで認識する必要があります。
【中国語】日本人が苦戦するピンイン発音の罠

ピンイン学習で挫折しないためには、「ローマ字読みしてはいけない音」を先に知っておくことが重要です。特に以下の3つは要注意です。
① 「e」は「エ」ではない
これが最大のトラップです。ピンインの「e」は日本語の「エ」ではありません。
口を半開きにして、「エ」の口のまま喉の奥から「オ」と言うような、曖昧でこもった音(オァのような音)です。「饿(è|お腹が空いた)」などで使います。
② 「ü」という未知の音
uの上に点々がついた「ü(yu|ユ)」。これは日本語にはない音です。
口笛を吹くように唇を突き出し、「ウ」の口の形のまま「イ」と発音します。「旅行(lǚ xíng)」などで頻出するので、鏡を見ながら口の形を練習しましょう。
③ そり舌音(zhi, chi, shi, ri)
舌先を上顎の奥に反らせて出す、こもった音です。日本語の「ラ行」や「ジャ行」とは舌の位置が違います。
これができると一気に「中国語っぽい」響きになりますが、最初は無理に反らせすぎず、「こもった音を出す」意識だけでも十分通じます。
【中国語】ピンイン学習のコツとおすすめ動画
ピンインは「読む」ものではなく「音を聞いて真似る」ものです。文字だけで理解しようとせず、必ず動画や音声教材とセットで学習しましょう。
YouTubeを活用する
発音に関しては、文章で読むよりも動画で口の動きを見る方が100倍効率が良いです。
以下の動画は、日本人の中国語学習者にとってのバイブル的存在である「李姉妹ch」の解説です。ピンインの基礎から口の形まで非常にわかりやすく解説されており、初心者の方に特におすすめです。
ピンイン表を壁に貼る
「ピンイン表(波羅蜜多)」と呼ばれる一覧表があります。これをトイレや部屋の壁に貼り、毎日眺めてブツブツと発音する。地味ですが、これが最強の学習法です。
スマホの待ち受け画面にするのも良いでしょう。
ピンインの変換ツールを使う
ピンインはWeb上で便利なツールを使えば、いつでも変換することができます。
例えば自分の名前を入力し、変換してみるとそれぞれに対応したピンインが自動で表示されるのです。
ピンインを読める前提とはなりますが、中国語学習のお供としては知っておくと便利なツールとなります。
参考:どんと来い、中国語
【中国語】ピンイン入力と変換テクニック

ピンインを覚えるもう一つの大きなメリットは、「スマホやPCで中国語が打てるようになる」ことです。
スマホでの入力設定
iPhoneやAndroidの設定で「キーボード」→「中国語(簡体字)」→「ピンイン(QWERTY)」を追加するだけでOKです。
あとはローマ字入力と同じ要領で、ピンインを打ち込めば漢字に変換されます。
時短テクニック:頭文字だけで変換
実は、ピンインをすべて打たなくても、頭文字だけで変換できる機能があります。
- 你好(nǐ hǎo):「nh」と打てば候補に出る
- 不知道(bù zhī dào):「bzd」で変換可能
- 为什么(wèi shén me):「wsm」でOK
ネイティブはこの機能を使って爆速でチャットをしています。ピンインを覚えると、こうしたデジタル・コミュニケーションも可能になるのです。
まとめ
こちらの記事では「中国語のピンイン」をテーマに、基礎ルールから発音の注意点、入力方法まで解説しました。最後に重要なポイントを復習しましょう。
- ピンインは「声母(子音)+韻母(母音)+声調(トーン)」でできている
- 「e」や「ü」は日本語にない音なので、口の形を意識して練習する
- YouTube動画やピンイン表を使って、正しい音を耳に焼き付ける
- ピンインを覚えると、スマホでの入力速度が劇的に上がる
ピンインは、中国語という広大な海を渡るための「コンパス」です。最初は難しく感じるかもしれませんが、一度身につけてしまえば、一生使えるあなたの財産になります。
まずは今日、自分の名前をピンインでどう書くか調べて、スマホで入力してみることから始めてみませんか?
ピンイン入力の際にも役立つ「数字の読み方」や「ネットスラング」についても、合わせてチェックしておきましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

