珍しく変化に富んだ自然の景観や貴重な文化遺産が多数残り、25の少数民族がそれぞれ独特の民族文化を営んでいる雲南。その雲南でぜひ、多民族の国、中国のもう一つの顔を覗いてみましょう。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 雲南省には25の少数民族が暮らし、熱帯雨林から標高6,700m級の雪山までを一つの省に抱える。中国のもう一つの顔として、民族文化と自然の多様性を同時に味わえる土地である。
- 昆明・大理・麗江・西双版納が主要な観光エリアで、大理はペー族、麗江はナシ族、西双版納はタイ族の文化が色濃く残り、古城や古鎮の街並みをたどる旅が楽しめる。
- ベストシーズンは花の美しい春と空気が澄む秋。高温多湿の西双版納は比較的涼しい11月から4月が適しており、9日間ほどで主要エリアを巡るモデルコースも組める。
雲南には25の少数民族が居住

中国国内に居住する55の少数民族のうち、人口の多い以下の25の民族が雲南省に住んでいます。
| 彝(イ)族 | 白(ペー)族 | 哈尼(ハニ)族 | 傣(タイ)族 | 壮(チワン)族 |
| 苗(ミャオ)族 | 傈僳(リス)族 | 回(ホイ)族 | 拉祜(ラフ)族 | 佤(ワ)族 |
| 納西(ナシ)族 | 瑤(ヤオ)族 | 景頗(ジンボー)族 | 蔵(チベット)族 | 布朗(プーラン)族 |
| 布依(プイ)族 | 普米(プミ)族 | 阿昌(アチャン)族 | 怒(ヌー)族 | 基諾(ジノー)族 |
| 徳昂(パラウン)族 | 蒙古(モンゴル)族 | 水(スイ)族 | 満(満州)族 | 独龍(トールン)族 |
雲南の自然
雲南省の自然環境はとても多様です。
東南アジアと境界を接する熱帯雨林から、標高が6,700mを超える梅里雪山の最高峰カワグボまでが一つの省に存在し、たいへん変化に富んでいます。
ぜひ訪れたい雲南の観光スポット

1.昆明 雲南省の省都で、一年を通して春のような穏やかさの町
円通寺(圆通寺 yuántōngsì)
1200年の歴史をもつ仏教寺院。創建は唐代に遡り、寺院としては昆明市内で最古かつ最大。大乗仏教の寺院ですが、上座部仏教やチベット仏教の仏殿もあります。
太和宮金殿(太和宫金殿 tàihégōng jīndiàn)
明の万暦三十年(1602年)に創建された道教寺院で、雲南における道教の聖地です。現存する金殿は清の康熙十年(1671年)に呉三桂が再建したもので、現存する純銅鋳造の殿宇としては中国国内で最大の規模をもち、保存状態も最も良いとされています。金殿という名は銅でできた廟宇が金色に輝くことに由来しています。
官渡古鎮(官渡古镇 guāndùgǔzhèn)
昆明市の中心部から10キロほどの場所にある古村です。官渡は雲南文化の発祥地の一つで、3000年余り前から集落があったとされています。今も雲南の伝統を感じられる場で、明清時代の街並みや唐代から清代に至る寺院や楼閣が残っています。
海晏村(海晏村 hǎiyàncūn)
600年の歴史をもつ古い漁村です。滇池の東岸にあり、明代の石畳や彫刻が施された古い屋敷などが残っています。風化し、放置されていた街並みに近年、保護と改修の手が入り、民宿、飲食店、工房などが軒を連ねるようになりました。
滇池(滇池 diānchí)
昆明市の南西に広がる中国有数の高原湖で、冬にはシベリアからユリカモメが飛来します。雲南省で最大の湖で、面積は琵琶湖の半分弱に及びます。
2.大理 ペー族の自治州。洱海という湖の西岸に広がる大理石の街
大理古城(大理古城 dàlǐgǔchéng)
古くから雲南西部の政治、経済、文化の中心が置かれていた町。歴史ある城壁や城門、石畳の路地などは趣があり、ペー族の建築や喫茶店、商店なども並んでいるので街歩きが楽しめます。ライトアップされる夜の街並みも独特の味わいです。
崇聖寺三塔(崇圣寺三塔 chóngshèngsì sāntǎ)
大理のシンボルともいえる名所です。唐代創建の主塔を中心に、1000年以上の歴史をもつ仏塔が三つ並んでおり、塔が池に映る姿も必見とされています。仏教美術や庭園も見応えがあります。
蒼山(苍山 cāngshān)
標高4,000m級の山並みが連なる景勝地です。ハイキングコースがあり、3つのロープウェイからも絶景を楽しめます。3,000種以上の植物が生息しており、珍しい高山植物が見られるだけでなく、春になるとツバキやシャクナゲが咲き誇るのも魅力です。
喜洲鎮(喜洲镇 xǐzhōuzhèn)
大理古城から北へ18キロの地点にあります。伝統的な街並みが残り、朝市も名物です。厳家大院、董家大院、楊家大院などの屋敷には当時高級だった洋式建築のスタイルも取り入れられています。ペー族の歌舞や名物の三道茶も体験できます。
周城(周城 zhōuchéng)
喜洲鎮内にある、中国国内でも多くのペー族が集住している村。古くから藍染めの産地として知られ、村人たちが藍染めを行う工房が点在しています。周城で丁寧に染め上げられる布の人気は高く、観光客が藍染めを体験できる施設もあります。
沙溪古鎮(沙溪古镇 shāxīgǔzhèn)
剣川県にある茶馬古道上の宿場町。茶馬古道はかつて四川省の成都や雲南省の昆明とチベットのラサを結んだ道で、雲南からは茶などを、チベットからは馬などを運んだ交易ルートでした。自動車道路の整備とともにその多くの宿場町が衰退しましたが、今世紀に保護と改修が行われたのがこの沙溪古鎮です。雲南の他の観光地ほど混んでおらず、歴史の香り漂う街並みを比較的ゆっくりと巡ることができます。大理市から北へ車で150キロ、麗江からは南へ100キロの位置にあります。
3.麗江 ナシ族固有の宗教や文字をもつトンパ(東巴)文化の地
麗江古城(丽江古城 lìjiāng gǔchéng)
標高5,596mの玉龍雪山麓にある古都。13世紀(宋末元初)にシナ・チベット語族チベット・ビルマ語派の言語を話すナシ族によって建設され、中国では珍しく城門と城壁がない古城としても知られています。古くはチベット・雲南間の茶葉交易でも栄えました。石畳の道や街を巡る水路、伝統ある木造家屋などが形作る古趣豊かな街並みが魅力ですが、「四方街」を中心に、街の大部分は観光地化されています。夜はライトアップされます。旧市街の保護区と近郊にある白沙と束河という村は、世界遺産に指定されています。
束河古鎮(束河古镇 shùhégǔzhèn)
麗江の北西4キロの地点にある古鎮で、歴史の余韻漂う落ち着いた街並み、迷路のような石畳、宗教儀式が行われる寺院などが魅力です。小さめながらも、観光客の集中する麗江よりのんびりと巡ることができます。
白沙古鎮(白沙古镇 báishāgǔzhèn)
麗江から北へ12キロ離れていますが、交通の便がよい上、玉龍雪山が近くて沿道の景色も美しいので、束河古鎮と併せてぜひ訪れたい古鎮です。ナシ族が最初に居住した集落だと言われています。伝統的な美しい街並みや石畳が、過度の改修を経ぬまま古趣豊かに残っているのが魅力です。
4.西双版納(西双版纳 xīshuāngbǎnnà) 雲南省最南端にある、南国感色濃いタイ族(ルー族)の自治州
告荘西双景景区(告庄西双景景区 gàozhuāngxīshuāngjǐng jǐngqū)
シーサンパンナの首府、景洪市の瀾滄江(メコン川)のほとりにあり、「星光夜市」と呼ばれる夜市や華やかに輝く夜景が楽しめます。写真撮影や夜の散策などにも最適です。
シーサンパンナ・タイ族園景区(西双版纳傣族园景区 xīshuāngbǎnnà dǎizúyuán jǐngqū)
景洪市にあります。タイ族の文化を総合的に展示したテーマパークで、荘厳な寺院や高床式で知られる民家の建築、歌舞や水かけ祭りから無形文化遺産までを幅広く紹介しています。
曼飛龍白塔(曼飞龙白塔 mànfēilóng báitǎ)
景洪市の南西約70キロの位置にある金剛座式の群塔で、高さ16.29メートルの主塔と8つの小さな塔からなります。塔の頂には「天笛」と呼ばれる銅製の風鈴が吊るされ、風が吹くと澄んだ音が聞こえます。歴史と影響力をもつ上座部仏教の寺院で、毎年、東南アジアから多くの仏教信者が参拝に訪れています。
モデルコース
1日目~2日目 昆明
3日目~4日目 大理古城
5日目 沙溪古鎮
6日目~7日目 麗江古城
8日目~9日目 西双版納
雲南旅行のベストシーズンは?

気温が心地よく、菜の花などの春の花が美しい春、または雨が少なく、空気が澄み、大自然の景観がはっきりと見える秋がベストシーズンです。
西双版納は高温多湿のため、比較的涼しい11月から4月がお勧めです。
まとめ
雲南は気候も自然環境も多様で、少数民族の文化を身近に体験できる場所です。
大理はペー族、麗江はナシ族、シーサンパンナはタイ族の文化を色濃く残しています。
観光スポットも豊富で、民族の文化も大自然も、興味に合わせてあれこれ体験することができます。


