四川省の省都である成都(Chengdu)は、3000年の歴史を持ちながら、今なお豊かさとのんびりとした空気に包まれています。成都の魅力は牧歌的な風景だけではなく、あの愛らしいジャイアントパンダの故郷であり、世界中の美食家をうならせる四川料理の発信地でもあります。
今回は、中国旅行を計画している方に向けて、パンダと麻辣の都の魅力を余すところなくお伝えします。成都の人々が口にする「巴適」(心地よい、素晴らしい)という言葉を、ぜひ感じ取ってください。
- 成都はジャイアントパンダの故郷として有名で、繁育研究基地では朝の時間帯に活発なパンダを間近で観察できる。
- もう一つの魅力は四川料理の麻辣グルメで、火鍋や担担麺など、痺れと辛さが融合した本場の味を楽しめる。
- 人民公園や寛窄巷子などで味わえるゆったりした生活文化(巴適)も特徴で、初心者でも楽しめる観光都市である。
成都旅行:ジャイアントパンダ観光

成都を訪れるなら、何をおいてもジャイアントパンダに会いに行かねばなりません。成都は、この愛らしいジャイアントパンダを間近で見られる場所です。
成都大熊猫繁育研究基地
最も有名なのが、成都大熊猫繁育研究基地です。市街地近くのこの施設は、パンダ保護の世界的な拠点であり、多くのパンダに出会える場所です。
ここでの鉄則は、とにかく早起きすること。パンダは一日のほとんどを食事と睡眠に費やしますが、活発に動くのは朝の餌の時間、具体的には午前8時半から11時頃までです。午前10時過ぎに訪れると、すでにパンダは丸くなって夢の中、という悲しい結果になりかねません。
開園時間に合わせてゲートの前に立ちましょう。目指すは、太陽産房と月亮産房です。ここで生まれたばかりの赤ちゃんパンダや、子供パンダたちがじゃれ合う姿に出会えます。
その後、大人パンダの餌やりを見学し、小熊猫活動場へ。木の上を活発に動き回るレッサーパンダの愛らしさは、ジャイアントパンダに勝るとも劣りません。
熊猫谷
成都の中心部からは少し足を延ばしますが、もう一つのおすすめは熊猫谷です。ここは、柵の代わりに深い堀で区切られたより自然に近い環境でパンダを観察できるのが特徴。まるで野生のパンダと遭遇したかのような感動を味わえます。
パンダ観光のベストシーズンは、気候が穏やかな春と秋です。暑さに弱いパンダは、夏場は冷房の効いた室内で過ごすことが多くなります。
成都旅行:麻辣が脳を刺激する

成都のもう一つの顔は、美食の都です。四川料理の神髄は、単なる辛さではなく、花椒の痺れ(麻)と唐辛子の辛さ(辣)が織りなす麻辣のハーモニーにあります。唇の感覚がなくなるほどの刺激を味わいながら、なぜか箸が止まらない体験をぜひしてみてください。
麻辣火鍋
まず外せないのが、麻辣火鍋です。最近は日本でも大人気ですが、街の至る所に店があり、その香りは街中に漂っています。有名なチェーン店も良いですが、地元の人が通う老舗店を見つけるのもおすすめです。九宮格(九つの区画に分かれた鍋)にたっぷりの牛油ベースのスープを沸かし、ハチノスや動脈を7~8回上下に振ってさっと茹でて食べるのが通です。
ストリートグルメ
担担麺
ひき肉とザーサイの旨味が凝縮されたソースが麺にかかっている四川を代表する麺料理。成都では軽食(小吃)として親しまれ、街中の食堂で気軽に味わえます。
鍾水餃
甘辛いタレが絡んだ小さな水餃子で、四川では朝食の定番として食べられています。成都を代表する伝統的な名物料理で、水餃子でありながら汁なしで提供されるのが最大の特徴です。辛さの中に甘みと奥行きがある、四川ならではの味わいが楽しめます。
夫妻肺片
牛の様々な部位を使ったピリ辛の和え物で、ビールの友に最適です。四川料理を代表する前菜で、ピリッと効いた花椒と真っ赤なラー油が食欲をそそる、実に奥深い味わいの一品です。1930年代、成都で郭朝華とその妻が屋台で売り始めたのが名前の由来です。
兔頭
成都を代表するワイルドな名物料理。見た目のインパクトとは裏腹に、一度ハマるとやみつきになります。ビールとの相性も抜群な「夜の大人の味」です。
グルメスポットとしては、奎星楼街や建設路がおすすめ。ここは観光客向けとは一味違い、地元の若者で賑わう本格的な味の激戦区です。街歩きで小腹が空いたら、糖油果子や三大炮といった甘味でひと休みするのも良いでしょう。
成都の観光スポット

成都の魅力は食べ物だけに留まりません。この街の真髄は、ゆったりとした暮らしにあります。
人民公園
園内にある鶴鳴茶社では、竹製の椅子に腰掛けて、蓋碗茶を片手にゆったりするという贅沢が味わえます。地元の人々が井戸端会議に花を咲かせ、時折、伝統的な耳かきサービスの匠な技を頼む人の姿も見られます。まさに、成都の巴適な時間がここに流れています。
寛窄巷子
清朝時代の街並みを残す人気スポット。おしゃれなカフェや土産物店、レストランが軒を連ねます。伝統的な建築物と現代的なセンスが融合した街並みは、散策するだけでも楽しいものです。
武侯祠と杜甫草堂
武侯祠は三国志の諸葛亮孔明を祀る祠で、荘厳な雰囲気の中に歴史の重みを感じさせます。一方、杜甫草堂は、詩聖・杜甫が晩年を過ごした場所であり、静かな庭園と趣のある建物が調和した、風雅な空間が広がっています。
古里とIFS国際金融中心
ガラス張りのモダンな建築物の中に、古寺の大慈寺が調和する太古里の景観は、成都の新旧の融合を体現しています。
IFSの壁をよじ登る巨大なパンダの像は、今や成都のランドマークです。ショッピングだけでなく、おしゃれなカフェやレストランも充実しており、若者のエネルギーに溢れています。
成都旅行モデルコース:3日間で成都の「巴適」を体感する

1日目:パンダに会い、美食を堪能
朝一番に成都大熊猫繁育研究基地へ。開園と同時に入場して、パンダたちをたっぷりと観察しましょう。午後は建設路へ移動して腹ごしらえ。
その後、人民公園で午後のひとときをのんびりと過ごし、夕方からは寛窄巷子で夕闇に包まれる街並みを散策します。
2日目:歴史と現代の成都を満喫する
午前中は武侯祠で三国志の世界に浸り、隣接する錦里古街で伝統的な雰囲気を味わいます。
午後は杜甫草堂で詩聖の世界に思いを馳せた後、太古里とIFSへ。ショッピングやカフェでの休憩を楽しみ、夕食は本格的な麻辣火鍋に挑戦しましょう。
3日目:成都でゆったりと過ごす
この日は特に予定を詰め込まず、奎星楼街で遅めの朝食をとりながら、街歩きを楽しみましょう。個性的な雑貨店を覗いたり、茶館でゆっくりお茶を楽しんだりして、成都らしいのんびりした時間を過ごしてみましょう。
午後は望平街や太古里周辺といった新しい文化の発信地を散策。夕方には、市内を流れる府南河沿いを散歩し、旅の締めくくりにふさわしい、穏やかな時間を過ごしましょう。
成都での交通アクセス

フライト
成都には2つの大きな空港があります。市街地から近く便利なのは双流国際空港ですが、国際線の多くは新しく開港した天府国際空港を利用します。
天府国際空港は非常に広く、市街地まで地下鉄で約50分~1時間ほどかかります。移動時間に余裕を持って計画しましょう。
地下鉄
市内の移動は、地下鉄が圧倒的に便利です。主要な観光地のほとんどは地下鉄駅から徒歩圏内です。駅には英語表記もあり、中国語がわからなくても利用するのは簡単です。車内は清潔で安全です。切符は各駅で購入できます。
高速鉄道
周辺都市へのアクセスも抜群です。高速鉄道を使えば、世界遺産の都江堰や青城山までわずか30分ほど。楽山大仏のある楽山へも1時間以内でアクセスできます。成都を拠点に、四川の歴史と文化を広く巡る旅も可能です。
まとめ
成都は年間を通して楽しめますが、特に春と秋は過ごしやすく観光に最適です。
愛らしいパンダ、脳を刺激する麻辣、そして悠久の歴史と現代的なセンスが絶妙にブレンドされた街並みが成都です。以前訪れた際は、麻辣の香りが街に漂っていたのを覚えています。中国旅行が初めての方でも、十分に楽しむことのできる街です。
ぜひ成都ののんびりとした雰囲気を味わいに行きましょう!

