ビジネス中国語とは?基本的な考え方と日常会話との違い

ビジネス中国語とは?基本的な考え方と日常会話との違い

「仕事で中国語を使うことになったけれど、日常会話と何が違うのか分からない」「中国語は少し勉強したものの、仕事で通用するのか自信がない」と感じている方もいるのではないでしょうか。

ビジネスで使う中国語に特別な敬語はありませんが、伝え方や言葉選びによって丁寧さを示すことが重視されます。

本記事では、ビジネス中国語の基本と日常会話との違いを整理し、仕事で使えるレベルの目安まで分かりやすく解説します。
メーカーの輸出部門で、中国・台湾の現地販売代理店と10年間にわたり実務でやり取りしてきた経験をもとに、現場で実際に意識されているポイントを具体的にまとめました。

目次

ビジネス中国語とは何か

【中国語】検定の種類

ビジネス中国語とは、仕事の場面で信頼関係を築くために使われる中国語です。

まずは使う目的や意識しておくポイントを理解しておきましょう。

誤解なく正確に伝えるために使用する

日常会話は意思疎通ができれば十分な場面も多いですが、ビジネスでは正確さや信頼性がより重視されます。

友人同士であれば多少曖昧でも通じますが、仕事では誤解がそのままトラブルにつながることがあります。

そのためビジネス中国語は「通じればよい」ではなく、「誤解なく正確に伝える」ことを目的とします。

伝え方で丁寧さを表現している

中国語には日本語のような敬語の仕組みはありませんが、呼び方や一言添える工夫、文章の流れによって丁寧さを表現できます。

例えば、役職を付けて呼んだり、依頼の前にひとこと配慮を加えたりするだけでも印象は変わります。
特別な文法よりも、どのように伝えるかを意識することがビジネス中国語では重要です。

基礎知識として押さえる丁寧さの考え方

ビジネス中国語では、特別な敬語を覚えるというよりも、丁寧さをどう作るかを理解することが大切です。ここでは、押さえておきたい基本的な考え方を整理します。

呼び方や一言添える工夫で印象は大きく変わる

呼び方は、相手との距離を示す大切な要素です。名前だけでなく役職を添えて呼ぶことで、敬意が伝わりやすくなります。

例えば、「王さん」と呼ぶよりも「王经理 wáng jīnglǐ」と役職を添えるだけで印象は変わります。

また、依頼の前に一言添えるだけでも表現はやわらぎます。このように、呼び方と一言の工夫は丁寧さを作る基本です。

言い回しや文章の流れを整えると落ち着いた表現になる

ビジネスの場面では、いきなり結論だけを伝えるよりも、状況を簡潔に説明してから本題に入るほうが自然です。
また、「できません」と言い切るのではなく、理由や背景を添えることで角の立たない表現になります。

参考例

✕:不行,我现在没时间。
  Bùxíng, wǒ xiànzài méi shíjiān.
  ダメです、今は時間がありません。

〇:我现在不太方便,下午再商量一下可以吗
  Wǒ xiànzài bútài fāngbiàn, xiàwǔ zài shāngliang yíxià kěyǐ ma?
  今はちょっと都合が悪いので、午後にまたご相談してもよろしいでしょうか?

このように、言い回しや文章の順序を整えることで、落ち着いた印象の中国語になります。

一般的な中国語との違いから見える特徴

日常会話では自然でも、仕事では印象が変わることがあります。ここでは、その違いを具体例とともに整理します。

直接的すぎない言い方で印象をやわらげている

日常会話では率直な言い方でも問題にならないことがありますが、仕事では直接的すぎる表現が強く響くことがあります。

参考例


✕ :这个不行。
  Zhège bù xíng.
  これはダメです。

〇: 这个我觉得不太合适再商量一下吧。
   Zhège wǒ juéde bù tài héshì, zài shāngliang yíxià ba.
  これは少し適さないと思いますので、もう一度話し合いましょう

単に否定するのではなく、「我觉得 wǒ juéde」で主観を添え、「再商量一下 zài shāngliang yíxià」と提案に変えるだけで、印象は大きくやわらぎます。

一言添える工夫で印象を変えている

言葉そのものに悪意がなくても、伝え方によっては冷たく、事務的に受け取られることがあります。

参考例


✕ :你发给我。
   Nǐ fā gěi wǒ.
   それを送ってください。

〇 :麻烦您发给我一下。
   Máfan nín fā gěi wǒ yíxià.
   お手数ですが送っていただけますか。

依頼の前に一言添えるだけで、命令のような印象を避けることができます。

仕事で使える中国語レベルの目安

中国語だけでは不十分? 求められるプラスアルファ

仕事で中国語を使う場合、「どのくらいのレベルがあれば通用するのか」は気になるポイントです。ここではHSKの目安とともに、実務でできることの違いを整理します。

あいさつや簡単なやり取りができることが第一歩になる

基礎的なやり取りができる最初の出発点として、HSK4級前後が一つの目安になります。

この段階では、基本的なあいさつや自己紹介、簡単な日程調整などができるようになります。
例えば、会議の日程を確認したり、メールで簡単なお礼を伝えたりする場面に対応できます。

状況説明や調整ができることが次のステップになる

より幅広い業務に対応できる目安として、HSK5級〜6級前後が挙げられます。

この段階では、状況の説明や確認、社内外との調整などができるようになります。
例えば、納期の変更を相談したり、トラブルの背景を説明したり、価格について話し合ったりする場面に対応できるレベルです。

レベルごとの目安は次の通りです。

目安できることの例
HSK4級前後あいさつ/自己紹介/日程確認/簡単なお礼
HSK5級前後状況説明/納期確認/お詫び/社内外の調整
HSK6級前後価格交渉/認識合わせ/複雑な説明

なぜビジネス中国語を学ぶ必要があるのか

HSK 中国語検定 違い

ビジネス中国語を学ぶ理由は、単に語彙を増やすためではありません。実務の現場では、言葉の使い方ひとつで相手からの印象や信頼感が変わることがあります。

言葉遣いが人間関係や評価に影響する

実際にやり取りをしていると、日常会話レベルの中国語だけでは、少し幼い印象を与えてしまう場面があります。

一方で、基本的なビジネス表現を押さえているだけで、「きちんと勉強している人だ」という評価につながることもあります。

言葉遣いは目に見えにくい部分ですが、仕事の信頼関係に確実に影響しています。

丁寧な表現を知るだけで信頼の土台ができる

ビジネスの場面では、必ずしも完璧な中国語が求められているわけではありません。

しかし、呼び方や依頼の仕方に少し配慮があるだけで、相手は安心してやり取りができるようになります。
その積み重ねが、結果として声をかけてもらいやすくなるなど、関係構築のしやすさにつながります。

まとめ

今回は、ビジネス中国語とは何かをテーマに、基本的な考え方や日常会話との違い、仕事で使えるレベルの目安について整理しました。

ビジネス中国語のポイントは、特別な敬語を覚えることではなく、誤解なく正確に伝えるための工夫を重ねることです。呼び方や言い回し、順序を意識するだけでも、印象は大きく変わります。

本記事の要点は次のとおりです。

  • ビジネス中国語は「誤解なく正確に伝える」ことを目的としている
  • 丁寧さは呼び方や言い回し、順序で表現できる
  • 日常会話のままだと強く聞こえる場合がある
  • HSK4級前後が基礎的なやり取りの目安になる
  • 状況説明や調整ができると業務の幅が広がる

これらを押さえることで、信頼関係を築きやすくなります。

これから仕事で中国語を使う予定がある方や、自分のレベルが通用するのか確認したい方は、まずは基本的なビジネス表現から整理してみてください。

HSKの取得を目標にする場合は、学習の目安にもなります。なお、CCレッスン経由でHSKを受験すると受講料が割引になる制度もありますので、あわせて参考にしてみてください。

この記事を書いた人

中国語学習を続けながら、学習者目線の記事執筆を行っているライター。
製造業の営業として15年以上勤務し、中国・深センへの3年間の駐在を含め、日本企業・中国企業の双方で中国語を使った実務経験を積む。
深センでの駐在経験を通じて、文法や単語だけでは伝わらない「相手に意図が伝わる中国語」の重要性を実感。
中国語検定2級を取得し、HSK6級は合格水準に到達。現在は高得点取得を目指して学習を継続している。

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