中国旅行初心者への完全ガイド:必要な書類・準備・手続きなど

中国旅行初心者への完全ガイド:必要な書類・準備・手続きなど

広大な国土、五千年の歴史、多様な文化を持つ中国は、日本人旅行者にとって最もエキサイティングな旅行先の一つです。万里の長城、故宮博物院、兵馬俑など世界遺産をはじめ、上海のモダンなスカイラインや四川の美食など、見どころは尽きません。しかし、中国旅行を楽しいものにするためには、事前の手続きや準備が不可欠です。この記事では、中国旅行に必要な書類、手続き、持ち物、現地での注意点を解説します。

目次

中国旅行に必要な準備

中国旅行に必要な準備

パスポートの要件

中国への入国を計画する際に最初に確認すべきは、パスポートの有効期限です。入国時点で残存有効期間が6か月以上あることが絶対条件となります。また、未使用の査証欄が最低1ページ以上確保されていることも必要です。原本とは別に、パスポートの写真ページのコピーを用意し、さらにスマートフォンなどにデータとして保存しておくと、万一の紛失時に役立ちます。

お金に関する準備

中国の通貨は人民元です。日本円から人民元への両替は、成田や関空などの主要空港、または中国到着後の空港内銀行カウンターでも行うことができます。都市部では銀行やホテルでも両替可能ですが、レートや手数料に注意が必要です。ただし現在の中国では、現金が使えない、または使いにくい場面が増えています。また、Visa、MasterCardなどのクレジットカードは、高級ホテルや大型デパート、レストランでは利用できますが、中小商店や地方都市ではほとんど利用できないと思った方が良いでしょう。

中国では現在、現金やクレジットカードよりもモバイル決済が主流となっています。代表的なサービスである「微信支付(WeChat Pay)」と「支付宝(Alipay)」は、街中のどこでも利用できる決済アプリです。これらを利用するためには、従来は現地の銀行口座や中国国内で発行されたクレジットカードの登録が必要でしたが、最近では一定の条件付きで外国人旅行者による利用も可能になっています。利用条件や対応範囲は変更されることがあるため、最新情報を事前に確認してください。渡航前にアプリをダウンロードし、自分の国際クレジットカードを紐づけておくと便利です。

健康と保険に関する準備

中国を旅行する際には、万一の病気や怪我に備えて、海外旅行傷害保険に加入しておくようにしましょう。治療費はもちろん、救援者費用や賠償責任など、幅広い補償が含まれるプランを選ぶと安心です。また、持病がある方は、薬の英文処方箋や医師の診断書を携帯するとともに、常備薬は予備を含めて十分な量を持参してください。中国国内の薬局では、日本のような市販薬が簡単に手に入らない場合も多く、処方薬の購入には現地での診察が必要となることが一般的です。

通信手段の確保

地図の検索、翻訳、決済、情報収集など、インターネットは旅行に不可欠です。しかし、中国ではインターネット利用に関して一定の制限があり、Google、YouTube、Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、LINEなど、日本で日常的に使われている一部のウェブサービスやSNSにアクセスできない場合があります。

そのため、一部の利用者はVPNサービスを利用することもありますが、接続状況や利用可否は環境や時期によって変動し、常に安定して利用できるとは限りません。

接続が不安定な場合や、利用できないサービスがある場合には、中国国内で広く利用されているアプリを代替手段として活用することになります。例えば、地図アプリは百度マップ、配車は滴滴出行、支払いはWeChatやAlipay、SNSは微博(Weibo)などがあります。

携帯電話は、日本の携帯電話会社の国際ローミングサービスを利用する方か、現地通信会社のSIMカード購入、ポケットWi-Fiなどがあります。国際ローミングは手軽ですが、データ通信料が高額になる傾向があります。一方、空港や都市部で販売されている訪中外国人向けのプリペイドSIMカードは、データ容量が豊富でコストパフォーマンスに優れています。パスポート提示による本人確認が必要となるので、購入時は忘れずに持参してください。

現地での必須知識と心構え

文化とマナーの違い

中国は多民族国家であり、地域によって習慣や方言が大きく異なりますが、共通して理解しておくべきマナーがいくつかあります。

まず、公共の場では比較的活発な会話や物売りの呼び込みが行われることがあり、日本人にとってはやや騒がしく感じられるかもしれませんが、これは当地の日常の光景です。また、列に割り込まれるような体験をする可能性もありますが、あまり神経質にならず、必要な場面でははっきりと意思表示をすることが大切です。

チップの習慣については、基本的に必要ありません。高級ホテルや西洋式のレストランを除き、チップを渡すと却って困惑させてしまう場合があります。一方で、ガイドやドライバーに対して感謝の意を表したい場合は、小さな心付けを渡すことがありますが、必須ではありません。

交通手段の利用

中国の都市間移動は、高速鉄道のネットワークが非常に発達していて、時間通りで快適な移動手段として重宝します。チケットは駅の窓口や自動券売機のほか、最近ではオンラインでスマートフォンで購入するのが便利です。外国人はパスポートを入力する必要があるので、少し手間がかかる場合があります。空港や主要駅では英語表記や英語を話せるスタッフがいることも多いですが、地方の駅ではそうでないことも覚悟しておきましょう。

市内交通では、地下鉄が最も便利でわかりやすい手段です。北京や上海などの大都市の地下鉄路線図は複雑ですが、案内表示に英語が併記されていることが多く、改札も自動化されています。配車アプリの「滴滴出行(DiDi)」も非常に便利で、日本語インターフェースも選択できます。

安全と衛生上の注意

中国の大都市は一般的に治安は良好ですが、観光地や繁華街ではスリや置き引きに注意が必要です。貴重品は肌身離さず持って、油断しないようにします。衛生面では、水道水は沸騰させなければ飲用に適しません。ミネラルウォーターを購入して飲むことをお勧めします。屋台などで食事を楽しむのは旅の醍醐味ですが、食材がしっかり加熱されているか、客の多い清潔な店を選ぶなどの判断が重要です。

旅行の計画

旅行の計画

ベストシーズンの選択

中国は国土が広大なため、地域によって気候が大きく異なります。例えば、北京や西安のある華北地域は、春(4-5月)と秋(9-10月)が過ごしやすく観光に最適です。一方、上海や蘇州、杭州を含む華東地域も同様の時期が快適ですが、夏季は蒸し暑く、冬季は底冷えします。雲南省などの西南部は一年中比較的温暖ですが、桂林などの華南地域は夏季の雨量が多くなります。目的地の気候条件を事前に調べ、適切な服装を準備することが旅行の快適さを大きく左右します。

計画のポイント

日程を計画する際は、移動に想像以上に時間がかかることを考慮に入れましょう。主要観光地間は高速鉄道や国内線で結ばれていますが、空港や駅までの移動、乗り換え、チェックイン・アウトの時間を考えると、一日に詰め込みすぎる計画は疲労の原因になります。特に初めての訪中の場合、2〜3都市に焦点を絞り、ゆとりを持ったスケジュールを組むことをおすすめします。定番の観光地に加えて、路地裏の市場を散策したり、市民が集う公園を訪れたりする時間を設けると、より深い中国の魅力を発見できるでしょう。

言語とコミュニケーション

言語の壁は多くの旅行者が感じるところです。大都市のホテルや観光地では英語が通じることも増えてきましたが、日常生活では中国語が通じない場面も多くあります。出発前に「こんにちは」「ありがとう」「いくらですか」「トイレはどこですか」などの基本的なフレーズをいくつか覚えておくと、コミュニケーションが格段に円滑になります。

スマートフォンの翻訳アプリ(Google翻訳など)は、オフラインでも使える機能を事前にダウンロードしておけば、非常に強力な味方となります。文字が読めない場合は、アプリのカメリアル機能で看板やメニューをリアルタイム翻訳することも可能です。

まとめ

中国旅行は、そのスケールの大きさと文化の奥深さから、一生に残る体験をもたらしてくれるでしょう。しかし、その楽しみを最大限に引き出す鍵は、渡航前の準備にあります。パスポートと査証という基本から、現金とモバイル決済への対応、インターネット環境の確保、そして文化や習慣の違いへの理解まで、本記事で紹介した項目を一つひとつ確認し、計画を立ててください。予期せぬハプニングもあると思いますが、適切に準備を整えることでアクシデントの回避が可能です。しっかりと準備して、楽しい滞在を実現させましょう。

この記事を書いた人

台北で3年間、上海で4年間の就業経験、現地生活を経て、活きた中国語をマスター。
中国語検定2級を取得。現在は、中国語通訳、翻訳として活躍するかたわら、中国語学習に関するライターとして、中国語の楽しさを広める活動に携わっています。

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