「HSKとTOCFLの違いがよく分からない」「中国語の資格を調べてみたけれど、どれを基準に考えればいいのか迷っている」、そんな悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。
HSKとTOCFLは、どちらも中国語能力を測る試験ですが、目的や使われ方には違いがあります。
本記事では、中国語学習を始めたばかりの初心者の方に向けて、HSKとTOCFLの違いや選び方について整理します。
資格の特徴を理解することで、自分に合った学習の目安が分かり、無理なく中国語学習の一歩を踏み出してもらえれば嬉しいです。
- HSKとTOCFLの試験内容・主催者・対象者の違いを比較解説
- 中国大陸と台湾、学習目的別にどちらを選ぶべきかを整理
- 留学や就職などキャリア目標に合わせた資格選びの考え方を紹介
HSKとTOCFLの違いを比較

HSKとTOCFLはどちらも中国語能力を測る試験ですが、それぞれの試験の特徴をおさえておけば中国語学習の方向性を考えやすくなります。
HSKは中国政府が主催する世界共通の中国語試験
「漢語水平考試」の略称であるHSKは、118の国と地域で実施されており、世界共通の基準として広く利用されています。
試験では簡体字が使われ、レベルは1級から6級までの6段階で評価されます。
日本国内では毎月、全国主要19都市を中心に試験が実施されており、実際のコミュニケーション能力を重視した試験内容になっているのが特徴です。
TOCFLは台湾政府が実施する台湾華語の能力試験
「華語文能力測験」の略称であるTOCFLは、台湾の政府機関が実施する中国語能力試験です。
台湾で話されている中国語、いわゆる台湾華語を基準としており、台湾の文化や表現にもとづいた試験内容が特徴です。
試験では繁体字が使われ、レベルはHSKと同様に6段階で評価されます。
日本国内では年に複数回、東京・大阪を中心に試験が実施されています。
HSKとTOCFLはどっちを選べばいいのか

HSKとTOCFLの違いが分かってきたところで、次に気になる「自分はどちらを選べばいいのか」を見ていきましょう。
中国留学や中国企業との関わりを考えるならHSK
HSKは中国政府が公認する試験で、中国語がどの程度使えるかを示す資格として見られることが多いです。
中国の大学や大学院へ正規留学する場合はHSKの取得が一般的に求められます。また、語学留学であっても、HSKを持っていることで授業理解や日常生活がスムーズになります。
就職においても、日本に進出している中国企業や、中国の現地法人で働く際の語学力の目安として見られる場面があるため、中国語を使って学ぶ・働くことを想定する人に向いた選択といえます。
台湾留学や台湾で働くことを考えるならTOCFL
TOCFLは、台湾で使われている中国語の力をどの程度身につけているかを示す資格として見られることが多いです。
台湾の大学への進学や奨学金の申請、就労ビザの取得などで、繁体字を用いた台湾華語の能力証明として必ず求められます。
台湾で働くことを前提とする場合、現地で使われている中国語を理解し、読み書きできることが前提となるため、TOCFLを基準に学習を進める考え方もあります。
HSKとTOCFLの難易度はどう違うのか

HSKとTOCFLを調べていると感じる「どちらのほうが難しいのか」についても、整理してみると単純に比較できないことが分かってきます。
試験の考え方が異なるため単純な比較はできない
最初の違いのパートでもお伝えしましたが、HSKとTOCFLは考え方に違いがあります。
HSKは、実際のコミュニケーション力を重視した内容になっており、問題にもその傾向が出ていることが多いです。
一方、TOCFLは台湾の生活や文化を想定した表現や語彙が出題されます。そのため、問題の雰囲気や求められる知識が異なり、「どちらが難しいか」を一概に比べることはできません。
初心者は基礎レベルから考えれば十分
中国語学習を始めたばかりの段階では、難易度を細かく比べすぎる必要はありません。まずはHSKやTOCFLの中でも基礎レベルを目安にし、「今の自分がどこまで理解できているか」を確認することが大切です。
最初から高い級を目指す必要はありません。基礎を固めながら段階的に考えていけば、無理のない学習を続けることができます。
次のパートでは、一般的に言われるHSKとTOCFLのレベル感について説明します。
HSKとTOCFLにおけるレベル換算の考え方
大きく分けると、HSKとTOCFLは次のようなレベル分けとして整理できます。
※単純に比較できるものではないため、筆者の感覚も踏まえたものです。
| 学習段階 | HSK | TOCFL | できることの目安 |
| 入門〜初級 | 1〜2級 | 入門〜A1 | あいさつや簡単な自己紹介ができる |
| 初級〜中級 | 3〜4級 | A2〜B1 | 日常会話や基本的なやり取りができる |
| 中級以上 | 5〜6級 | B2以上 | 仕事や学業で中国語を使える場面が増える |
このように大まかな対応関係はありますが、実際の難易度や感じ方は学習環境や得意・不得意によって変わります
試験のレベルより今できることを基準に考える
HSKとTOCFLは試験の目的や出題の考え方が異なるため、レベル換算は完全に一致するものではありません。表に示した対応関係もあくまで目安であり、語彙や表現、得意分野によって感じる難易度は変わります。
そのため、レベルや級の数字だけで判断するのではなく、簡単な会話ができるか、文章を理解できるかといった「今できること」をもとに、次に目指す級や学習の方向性を考えるほうが無理のない学習につながります。
HSKとTOCFLは日本の就職でどう使われているのか

中国語学習の目安として使われるHSKやTOCFLですが、日本の就職における認知度や評価のされ方を整理してみます。
日本の就職では資格の知名度に差がある
日本の就職では、中国語の資格として中国語検定の名前が先に出る場面も多く、HSKやTOCFLは人によって馴染みの度合いが異なります。
たとえば、社内に中国人スタッフがいる企業や、中国との取引がある企業ではHSKについて理解があります。
TOCFLについては、日本でまだ馴染みのない資格と感じられる場面もありますが、台湾留学や台湾との関わりがある企業には大きな意味を持つ資格です。
資格は学習の証明として見られることが多い
HSKやTOCFLは知名度に差を感じる場面があるかもしれません。
しかし、資格を取るまでにどのような目的で学習してきたのか、そして中国語を仕事でどう活かしたいのかを伝えることで、面接の場で評価されることが多いです。
資格は単なる結果ではなく、学習への取り組み方や意欲を示す材料として捉えると、就職活動でも活かしやすくなります。
まとめ
本記事では、HSKとTOCFLの違いをテーマにし、それぞれの特徴や使われ方を整理しました。
どちらも中国語能力を測る試験ですが、目的や活用される場面に違いがあることが見えてきたのではないでしょうか。
HSKとTOCFLについて考える際、意識しておきたいポイントは次の4点です。
- HSKは中国本土を基準にした中国語試験で、中国との仕事や留学を考える人に向いている
- TOCFLは台湾を基準にした試験で、台湾留学や台湾関連の進路を考える人に適している
- 難易度やレベル換算はあくまで目安とし、数字だけで実力を判断する必要はない
- 日本の就職では資格の知名度に差はあるものの、学習の目的や活かし方を伝えることで評価につながる
それぞれの違いを整理したうえで、自分の学習目的の一つの目安として、どちらが合うかを考えてみてください。
なお、HSKはCCレッスン経由で受験すると受験料が割引になる制度もあります。

受験を検討している場合は、こうした制度も含めて確認してみてください。

